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山の日レポート

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自然がライフワーク

スマホ昆虫採集#34 『昆虫の綺麗な目に魅せられて』蜘蛛(クモ)の世界にようこそ。

2025.04.01

全国山の日協議会

蜘蛛(クモ)の世界にようこそ。 ※虫の苦手な方はご注意ください

文・写真提供:東京都 太田長樹さん

今回のテーマも前回と同じ『クモ』です。
『クモ目のジョロウグモ科のジョロウグモ』です。
夏から秋にかけて公園などに行くとよく見かけます。大きな網を張るクモです。大型の造網性のクモの巣を作ります。ジョロウグモはコガネグモとナガコガネグモと共によく知られたクモです。コガネグモとナガコガネグモと混同されることが多いです。
ジョロウグモの模様は黄色と青緑色をしていて赤い紋が入るので一目でわかります。 コガネグモは黒色や茶色の幅の広い横縞が特徴です。ナガコガネグモは黒色や黄色の横縞の幅が小さいのが特徴です。赤い紋がジョロウグモを見分けるポイントです。
クモを題材にすると表題の『昆虫の綺麗な目に魅せられて』ではなくて『虫の綺麗な目に魅せられて』になります。
実はクモ(蜘蛛)は昆虫ではなく虫なんです。昆虫と虫を混同されている方は多いと思います。昆虫と虫は異なる定義をもっています。
【昆虫】は『3つの体部位-頭部、胸部、腹部に分かれる』『6本の脚-胸部に3対(6本)の脚がある』『翅(はね)-多くの昆虫は翅を持ち、飛ぶことができる』『触覚-頭部に触覚を持ってる。感覚器官として機能しいる』
【虫】は昆虫を含む多くの小さな生き物を指します。
「クモ」「サソリ」「ムカデ」「ミミズ」「ナメクジ」「カタツムリ」等
虫の中に昆虫が含まれていると解釈するのが正しいです。
虫は科学的な分類よりも一般的な観念や感覚に基づいているものが多いようです。

133-01ジョロウグモ成体

133【ジョロウグモ】成体 クモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属 

2018/9/29
国分寺市自宅庭の裏木戸 東京都

「ジョロウグモ」の名前の由来の一つはお女郎(じょろう)さんの艶やかさからです。そしてもう一つは大奥の高級女官の上臈(じょうろう)からです。この二説と言われています。雌は大きいです。雄は雌の半分以下の小ささです。同じクモとは思えない弱々し容姿です。雌は目が悪くて求愛で近づいて来る雄をクモの巣にかかった餌と間違えて食べちゃうこともあるそうです。

133-02ジョロウグモ成体

134【ジョロウグモ】成体 クモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属

2019/10/26
妙高高原田切 妙高市 新潟県

トンボ捕まえました。
「むしゃむしゃむしゃむしゃ」
「虫ゃ虫ゃ虫ゃ虫ゃ」
只今食事中です。

134-01ジョロウグモ捕食

134-02ジョロウグモ捕食

135【ジョロウグモ】卵嚢

2022/11/18
昭和記念公園 立川市 東京都

ジョロウグモの卵嚢(らんのう)です。中がうっすらピンク色なのでまだ卵の状態です。
ジョロウグモの産卵はとても興味深いです。卵嚢(らんのう)の中に卵を産みながらその卵嚢(らんのう)抱えて、卵が孵る場所を見つけて、そこにクモの糸で絨毯を作ります。その上に卵嚢(らんのう)乗せます。産み終わるとクモの糸のお布団を掛けて外敵から卵嚢(らんのう)を守ります。母グモは疲れた体で卵嚢(らんのう)に覆い被さり卵を守りながらお星様になります。母グモの愛情の深さには驚くばかりです。……虫の世界は不思議が沢山です。

135-01ジョロウグ卵嚢

135-02ジョロウグ卵嚢

136【ジョロウグモ】幼体 クモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属 

2021/11/2
妙高高原田切 妙高市 新潟県

ジョロウグモの卵は孵化すると黒い小さな子グモ(幼体)が肩を寄せ合って卵嚢(らんのう)中でおしくら饅頭をしています。これを見ると棒でちょんちょんと突いてみたくなります。ちょんちょんと突くと「蜘蛛の子を散らす」をみることができます。昨年偶然それをみる機会がありました。薪を片付けている時に木片で卵嚢(らんのう)を破ってしまいました。その時300匹以上の子グモが一目散に散らばり張り廻らされたクモの巣の上を逃げるのです。まさに「蜘蛛の子を散らす」でした。

136-01ジョロウグ幼体

136-02ジョロウグ幼体

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