ご挨拶 会長 谷垣禎一

会 長 谷 垣 禎 一

10年ほど前、「山の日」を作ろうと立ち上がった民間団体の皆さまが、「山の日」制定協議会を構成し、祝日制定への取り組みを開始しました。そこに、超党派「山の日」制定議員連盟(現在の超党派「山の日」議員連盟)による法案提出の準備が連動し、さらには賛助会員の皆様からのお力添えもいただき、2014年5月に国民の祝日「山の日」は制定されました。

現在の「全国山の日協議会」は、国民の祝日「山の日」の制定と周知に力を注いできた前団体からの出資により、2016年4月1日に設立された一般財団法人です。このように人々を突き動かしてきた魂、「山と自然への想い」こそが、実はこの財団の真の財産と言えましょう。
これまで、毎年8月11日の祝日「山の日」に「山の日」記念全国大会の開催、全国「山の日」フォーラムの開催、山の日マガジンの発行、各地で開催される「山の日」関連行事への協賛・後援などを通じて、国民の皆さまに「山の日」の意義を認知していただけるよう努力をしてまいりました。
こうした財産と暖簾が存分に運用・活用され、前団体から託された志を継承していきたいと切に思っております。

2020年春、設立から4年を経て任期満了による役員の改選を行いました。その後、新たな体制のもとで、組織改革と公益法人化の準備、各種催事への協賛・後援の拡充、積極的な広報戦略の展開などを当面の課題とし、そのいくつかにはすでに着手しているところです。
国民の生活に密着する具体的な諸問題、たとえば子どもたちが自然体験をする機会の減少への対策、地域活性化、森林と水資源の保全、山と自然の安全と防災など、多くの課題解決に向けて、財団の活動をさらに活発化させねばならないことは明らかでございましょう。まさにこれからが本番なのです。

このたびホームページのリニューアルをひかえ、私自身のこれまでの人生のなかで「山と自然に親しむきっかけとなったこと」や「山の日への関わりあい」、「車椅子の生活となって考えたこと」などについてお話をいたしました。よろしければご一読ください。

「海の日」とともに「山の日」を祝日とする国は、我が国以外に例を見ません。この祝日が、国民の皆さまお一人お一人が山や自然に思いを寄せ、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝すること」の契機となることを願っております。


※谷垣禎一のインタビューはこちらからご覧ください。


山の日アンバサダーリレーエッセイ

今井香子

私は山が好き
私は、とにかく山が好きです。
なぜ好きか?という質問には答えが多すぎて、この紙面には収まりそうもありませんが、敢えてまとめて言うなら、山以上(山での景色、匂い、心地良さ、体感、空気、、、)に私を感動させるものが無い!と言うことだと思います。
私は以前(ちょうどバブル期)、印象派の作品を扱うギャラリーに勤め、また自分自身でも海外含め多くの作品を観てきました。それでも、山での体験、山から臨む景色より感動することはありませんでした。山の優しさ、素晴らしさ、偉大さは、どんな名品にも負けません。
私は、書家であり、また書道を教え、未だ書道を習っています。
山と同じく、書道も好きです。
その両方を好きな私は、山に登ってはその感動を書に託しています。
雲ノ平から三俣蓮華、黒部の源流への道のりや、南八ヶ岳の稜線の乾いた空気や、槍の肩のテン場で見た星や、北岳のお花畑、鳳凰三山の青空や、蝶が岳からの穂高連峰、冬の北八ヶ岳のスノーシューや、白馬でのスノーキャンプ、横殴りの雪や、晴れの日のダイヤモンドダスト、雪を走る獣の足跡、、、言葉は次から次へと溢れ出て、この気持ちを書に託すことで、山での感動を2度味わっています。
そして、「山の日アンバサダー」として私が出来ること、、、山のことを書で表現し、沢山の人に山のことを知っていただくことだと感じています。
その一つとして、昨年より何度か、山の日の歌「山はふるさと」を書かせていただいております。ご覧いただければ幸いです。
これからも、山のこと、自然のこと、沢山表現していきます。

※西嶋和紙工房さんの和紙の裏側に書いた作品です。
本来は、楮(こうぞ)が原料の手漉き和紙なので、滲みは出ない難しい和紙です。
表面は鮮明な線ですが、裏の滲みが物凄い素敵でムードが出ます。
中心には「月星」の象形文字を書いてはめ込みました。

香書会オフィシャルサイト http://kaoru-sho.com
山の日アンバサダー https://www.yamanohi.net/ambassador.php
 ※以前公開したエッセイはアンバサダーページでご覧いただけます。



「山の日」を知ろう(2)

 
周知運動の全国展開

リーフレットに記された「山の日」の意義
山岳5団体を母体とする「山の日」制定協議会は、「山の日」を制定する意義を広く国民に理解してもらうために2010(平成22)年、広報・啓発用のリーフレットを作成した。山に興味を持ってもらうために「山のクイズ」を冒頭に載せ、最終ページに「山の日」制定を呼びかけるメッセージを記している。その全文を以下に紹介しよう。

                ***

わが国の国土は、7割近くが広い意味での山であり、その多くを森林が覆っています。古くから日本人は山を信仰の対象として崇め、森林の豊かな恵みに感謝し、自然とともに生きてきました。山の恩恵は渓谷の清流を生み、わが国を囲む海へと流れ、生きとし生けるものを育むだけではなく、豊かな心をも育んできました。わが国の文化は、「山の文化」と「海の文化」の融合によってその根幹が形成されたと言われています。
わたしたち山を愛する5つの山岳団体は、国民祝日としての「山の日」制定を提案します。「山の日」は、日々の生活と文化に結びついた山の恵みに感謝するとともに、美しく豊かな自然を守り、育て、次世代に引き継ぐことを国民のすべてが銘記する日です。この運動を通じてわたしたちは、登山者の安全と健康に寄与し、登山の楽しみを広く伝えたいと念願します。すでに祝日となっている「海の日」と対をなして、日本に住むすべての人々が、山という自然を見つめなおし、深いかかわりを考える日にしたいと思います。
わたしたちの提案に賛同され、より多くの方々、団体より、ご理解とご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。   

***

10万枚製作されたリーフレットは、各登山団体や登山用具店、山小屋などを通じて広く配布された。好評だったため、以後、2年間で「健康編」「安全編」「動物編」などの4つのシリーズを発行。記載されたアピール文は各地で開催される山岳イベントなどでも利用され、「山の日」の広報活動に大いに役立てていただくことができた。

  

 

全国の府県にあった「山の日」
ところで、山岳5団体による「山の日」制定協議会の発足以前に、独自に「山の日」を設けて運動をしている自治体があった。調べてみると、「山の日」という名称で記念日を制定している府県が、2012年の時点ですでに13もあったのである。
なかでも「山の日」の県民運動に積極的だったのが山梨県と広島県である。

山梨県は1997(平成9)年に8月8日を「やまなし山の日」と定め、官民が力を合わせて、前後の2カ月間に50余もの山にまつわるイベントを展開していた。山梨県は富士山や南アルプス、八ヶ岳、奥秩父といった山々を擁し、78%を山と森が占める森林県であり、山から多大な恩恵を受けている。それを十分に理解し、次の世代に継承していこうということで機運が盛り上がり、山の日を制定することになった。

8月8日を「やまなし山の日」にした理由は、漢字の八が山の形に似ているから。1997(平成9)年2月に「山梨百名山」が制定され、選定の過程でさまざまな意見交換があり、その流れでぜひとも「山の日」を制定しようという運びになったという。同年8月8日には大々的な記念行事が行なわれ、山の日宣言が出された。以後、《山に親しむ》《山に学ぶ》《山と生きる》の3つの柱をコンセプトに、森の教育活動、登山教室、自然観察会、写真コンクールなどが開催されている。2005年からは山梨学院大学の協力を得て「山の博覧会」を開催。これは山や自然をテーマに、講演や映像で山に親しみ、学ぶイベントで、例年450人収容の会場がほぼ満席となる盛況ぶりを示している。以降、山梨県では毎年6月から9月にかけて、県内各地で「山」に関連するイベントを開催するようになった。 

2002(平成14)年から6月の第1日曜日を「ひろしま山の日」とした広島県では、民間が主導し、県や市などの自治体のバックアップを得て「山の日」に向けた記念行事を重ねていた。たとえば尾道会場でのイベントでは、浦島漁業協同組合がブース出展。「海を味わうランチタイム」としてアサリの味噌汁を提供し、山から流れ出る水が豊かな海産物を育んでいることへの感謝の気持ちを表した。尾三地方森林組合は、山の手入れについて体験会を開き、森を育てることの大切さをレクチャー。他にもボランティア団体が木工教室や自然観察ツアーを開催するなど多くのイベントを開催し、子どもからお年寄りまで幅広い層の来場者を得ていた。その規模は年を追うごとに拡大し、県内10余の会場に1万人を超える来場者をみた年もある。

広島県の「山の日」運動は、そもそも西条の酒造組合による社会貢献活動が原点にあった。おいしい酒を造るためには豊かな地下水が不可欠。そのためには水源となる山や森を守らなければならない。そこで「酒一升の消費に対し1円」を西条酒造組合が基金として拠出し、西条周辺の山や水や里の保全活動を始めた。それが出発点となり、2002年に東広島市で開催された「第7回森林と市民を結ぶ全国の集い」を経て、「ひろしま山の日県民の集い」が始まったのである。今では民を主体にメディアも加わり、地元の高校や大学とも連携し、それを行政がバックアップするという実行委員会方式で企画運営を行なっている。このように実行委員会形式で地域に密着したプログラムを展開・運営する広島県の手法は、その後の「山の日」運動を進める上で参考となった。

その他の地域での動きとしては、2010(平成22)年に群馬県沼田市で開催された全国育樹祭を記念して、10月の第1日曜を「ぐんま山の日」に制定することが決定。群馬県は2008(平成20)年に10月を「ぐんま山と森の月間」と定め、山や森に親しみ、そこに学び、その恵みに感謝し、そこを守る取り組みを率先して推進する運動を展開していた。2010年10月の全国育樹祭開催は、こうした運動を拡充する好機ととらえ、開催に先立つ2月に「ぐんま山と森の月間」推進協議会の名によって「ぐんま山の日」制定宣言が発信されたのである。さらに長野県、栃木県などでも独自に「山の日」を考えるイベントが企画され、機運を盛り上げようとする動きが見られた。「山の日」制定協議会のメンバーは、各地方で開催される山のイベントに協力し、互いに学びながら「山の日」の広報・啓発活動を続けていた。

  
関東知事会が「山の日」制定を国に要望
2011(平成23)年、国民の祝日「山の日」制定に向けた運動は少しずつではあるが前に進み、協議会は、いよいよ国会議員に向けた働きかけを本格化しようとしていた。2月には要望書を作成し、「山の日」制定協議会の名前入りの封筒まで作って議員会館に赴く準備を進めていた。ところが3月11日、東日本大震災が起きた。祝日制定どころの話ではなくなった。山の仲間の多くは被災地に出かけ、「山の日」制定への関心は一時的にだが遠のくことになる。

そうしたなか、関東地方知事会(東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡、長野の1都9県で構成)が2011年10月の定例会議のなかで、祝日としての「山の日」の制定を国に要望することを決めた。自治体トップの集まりが国に祝日化の要望を出したのは初めてのことであり、いくつかの新聞も、この話題を大きく取り上げている。提案したのは栃木県の福田富一知事で、長野県の阿部守一知事らが率先して支持の意見を述べたという。

その長野県は、要望書を提出した翌月の11月20日、松本市で「岳都松本・山岳フォーラム2011」を開催する。山の楽しみや恩恵を周知するとともに、国民の祝日「山の日」制定の機運を高めることを目的としたイベントで、ホテルの会場には1000人もの人が集まった。協議会メンバーは、シンポジウムで「山の日」制定運動の現在を語り、「山ガール」に代表される当時の登山ブームについて講演を行なうなどしてイベントを盛り上げた。2012年以降も、同イベントは毎年、盛大に行なわれ、協議会メンバーは今も積極的に応援を続けている。

その後も、山の恵みに感謝し、自然を守り、山がもたらす恩恵を後世に伝えようとする山のイベントが各地で開催されるようになっていった。「山の日」制定協議会を構成する日本山岳協会、日本勤労者山岳連盟、日本山岳会、日本山岳ガイド協会も、それぞれが全国に支部を持つ強みを生かし、地方ごとに開催される山のイベント企画を奨励。さらに講師を派遣するなどして、講演会や登山教室、森林整備など、各地での「山の日」活動に協力し続けた。

「山の日」制定に向けた広報・啓発活動はここまで進んで、全国的な展開への確かな手ごたえを得たといえるだろう。

萩原浩司(山の日アンバサダー)

 ※「山の日を知ろう!シリーズ」はこちらのリンクからご覧いただけます。

  

山の日ネットワークリポート

山に囲まれ、山と向き合い、人との輪を広げる

公益社団法人日本山岳会 山梨支部長 北原孝浩

「西に甲斐駒、北に八ヶ岳、東に茅(ヶ岳)・瑞牆(山)、南に遥か富士の山」――私の住む山梨県北杜市の市民歌「北の杜讃歌」で唄われているように、山梨県は何どこでも四方を山々に囲まれ、山懐に抱かれている。富士山、北岳、間ノ岳は最高峰、2位、3位の山々である。

1997(平成9)年、国に先駆けて8月8日を「やまなし山の日」と定めた。県土の約8割が森林で、山や森林を見詰め直し、その恩恵に改めて感謝する契機にしようとした。「山に親しみ、山に学び、山と生きる」をスローガンに、山梨県が独自に制定した「山の日」である。制定は全国でも早い方だ。この「やまなし山の日」には、いくつかのイベントが行なわれたが、親子チャレンジ登山(親子登山)は、県内の山岳会が結束して参加してきた。

我が山梨支部は2005年から14年までの10年間、「山を知ろう、山へ行こう」をスローガンに、毎年欠かさず「山の博覧会」を開催した。スタート年は日本山岳会創立百周年に当たっており、登山の普及と山岳文化の継承を図る目的で実施した。それぞれの分野で著名な方々を講師に迎えての講演会で、登山や自然、山の歴史・文化に関心ある参加者は、毎回数百人を超えて盛会だった。日本山岳会は2012年に公益法人へ移行したが、その際には公益事業の優れたモデルの一つとして話題になった。

2015年8月11日、国民の祝日「山の日」がスタートした。
山梨支部では制定記念事業として同年9月に「やまなし登山基礎講座」を企画、開講したが、今年度はその6回目である。登山経験の浅い初級者や、登山の基礎を学びたいという中級者を対象として、30名程度の受講生を募った。

前5回までの受講生は中級者と思われる方々が多かった。山に登ってはいるが山岳会に属さず、独自に山を楽しんできた人が大半で、この講座を通じて登山の基礎を学びたいという。「山の博覧会」は講演を聞くことであったが、この講座では受講生が《学び、それを実践につなげる》場として計画した。

講座は9月から11月にかけて毎週開かれる。安全登山、装備、 山の天気、地図の読み方、自然保護、山の救急医療、山の文学、山梨登山史、山岳写真、山岳遭難とその対策などの机上講座に加え、ロープワークとセルフレスキュー、地図読みなど3回の実践登山も行なわれる。県警本部による「山岳遭難講座」以外はすべて山梨支部員が講師を務めており、好評を博している。

地元の山梨学院に大変お世話になった。「山の博覧会」ではホールの提供と講師料の大半を同学院に負担していただいた。「登山基礎講座」でも最新設備の教室の無償提供、案内チラシの印刷発送、受講申し込み受付などの募集事務、さらに受講生に配布するレジュメの印刷など、同学院生涯学習センターの全面的なご支援を得た。 ありがたい環境の下での講座である。今年度(開講中)は、山梨学院大学スポーツ科学部のご協力もいただいた。

受講生には講座終了後、支部山行への参加を勧め、講座で学んだことを復習実践する機会を提供する。そして、山岳愛好者として互いに学び、山を楽しむ輪を広げ、それが会員増につながれば幸いである。

※この文章は著者である公益社団法人日本山岳会山梨支部長の北原孝浩さんのご承認により、 日本山岳会会報「山」2020年10月号より転載させていただきました。
https://jac1.or.jp/document/yama_back_number

今年度6回目を数える「やまなし登山基礎講座」

  



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