
山の日レポート
自然がライフワーク
スマホ昆虫採集#47 『昆虫の綺麗な目に魅せられて』 昆虫の名前の漢字表記「揚羽蝶(アゲハチョウ)」について調べてみました
2026.05.01
文・写真提供:東京都 太田長樹さん
昆虫の名前の漢字表記も由来を調べると昆虫採集とは違う昆虫の楽しみ方ができます。
掘り下げて調べると漢字表記は「読みの由来」があり、その後に「漢字表記の由来」に繋がります。
「揚羽蝶」はアゲハチョウの漢字表記です。
アゲハチョウは休むときに翅を揚げる特徴があります。一般的に蝶々は翅を揚げて休息します。アゲハチョウの場合は 「立て方の角度・姿勢の安定性・シルエットの特徴」 が特に目立つので古い文献で「揚げ羽」として強く意識され表記されています。
平安から中世の日本語で「翅を揚げてひらひら舞う蝶」を意味する語から「アゲハチョウ」が生まれたと考えられています。
また武家文化・装束・文様とも深く結びついます。
翅を立てた蝶を図案化した文様は平安貴族の装束や調度品に使われました。
家紋の「揚羽蝶」は「高貴・華麗・武家の象徴」として文化的な意味を持ちました。
江戸後期から明治期に文様名の「揚羽」と蝶の特徴の「翅を立てる」が結びついて「揚羽蝶」が「アゲハチョウ」の標準和名として定着した様です。
大型で飛ぶ姿が目立ち優雅に舞い翅を立てて休みます。
黄色と黒のコントラストが美しいという特徴もあります。
視覚文化にも強く訴える存在だったので「蝶の中の蝶」として象徴的存在として「アゲハチョウ」の名が与えられたと考えられています。

写真① 198-01【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
2025/10/11
自宅庭 国分寺市 東京都
昨年(2025年)の10月のことです。息子から「庭のタイヤラックのシートにアゲハチョウのサナギが居たから取って(サナギを固定している糸を切って)下駄箱の上に置いといた」(写真①)との連絡が入りました。アゲハチョウ観察を初めて9年目です。幼虫の時から飼育して羽化させたことは何回もあります。今回、自然界でサナギになったのを見つけたのは初めてです。サナギになる前にカマキリ・野鳥に食べられてしまう。寄生バチが幼虫の体内に産卵して幼虫が育たない。アゲハチョウの羽化率は200分の1(卵を200個産んで成虫になれるのは1頭)です。タイヤラックから5m位離れたところに植えてあるライムの木から移動してきてサナギになったのだと思います。20m移動してサナギになった観察記録を読んだことあります。今回見つけたサナギは寄生バチに刺されてないようです。10月に入り朝晩の気温が下がり寒くなっているので越冬すると思われます。サナギポケット(写真②)を作って保護しました。羽化するのは来年(2026年)の春3月頃かな。終齢幼虫がサナギになる(蛹化)場所を探す事は知っていたけど、天敵に見つかりやすい場所を選ぶとは思えない。移動距離を考えると幼虫の育つ場所は天敵に覚えられているので、そこから離れたところに移動することなのだと思った。

写真② 198-02【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
2026/3/19
自宅玄関 国分寺市 東京都
3月19日早朝のことです。保護飼育していた飼育と言っても越冬中のサナギが春と間違えて羽化しないように気温の低くて寒い玄関ホールにサナギポケットを置いただけです。自然界で蛹化したアゲハチョウが羽化したばかりでサナギポケットの近くに止まって翅を乾かしていました。(写真③・④)本来は翅が乾いたら放蝶するのですが外は雨降りです。天気予報は今日と明日は傘マークです。悪天候の時に放蝶しても木陰で雨宿りして天候の回復を待つと思います。サナギはサナギなりに悪天候を感じて雨の日には羽化しないのではないだろうか。屋内なので屋外の気象条件とは異なるので羽化したのかもしれない。このまま天候が回復するまで屋内に留まらせておくことにした。

写真③ 199-01【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】

写真④ 199-02【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
2026/3/20
自宅玄関 国分寺市 東京都
3月20日、今日も終日雨降りです。天気予報では明日21日は朝から晴れの予報です。明日朝に放蝶することにしました。私のその気遣いを分かるはずもなく玄関ホールを飛び回るアゲハチョウです。(写真⑤)室内を飛び回って翅を痛めるのではないかとヒヤヒヤものです。蛍光灯を消灯して寝床に戻るようにしました。夜遅く見に行くと帰巣本能があるのだろうか羽化した場所に戻っていました。

写真⑤ 200【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
2026/3/21
自宅玄関 国分寺市 東京都
3月19日早朝に玄関ドアを開けて光と外気を室内に入れました。(写真⑥:この写真は3月19日のものではないです。3月26日に羽化した別のアゲハチョウの時のものです。拡大して見ていただくと分かるのですが、緑色の立てかけてある飼育箱の蓋の上部にちょこんとアゲハチョウが居ます。この様にして何時も放蝶しています。)アゲハチョウは光と新鮮な外気の流れを感じるのかドアをくぐり抜けて屋外へ飛び立っていきます。きっと生まれた場所ライムの木に立ち寄って大空にはばたいて行ったと思いました。私は仕事に向かい家をあとにしました。保育園年長クラスの孫が登園時に私の会社事務所(自宅と会社は徒歩2分)に立ち寄り入り「アゲハチョウ草の下の方に止まっているよ」と教えてくれました。一昨日昨日と寒い雨降りの2日間でした。今朝は晴れましたがまだ雨上がりだったので肌寒く感じました。外気が暖かくなるまで飛び立ちを待っているのでしょう。

写真⑥ 201【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
2026/3/21
自宅庭 国分寺市 東京都
【これが自然界の現実】
夕刻に家に戻ると孫が「庭にアゲハチョウの翅が落ちているよ」と言っています。確認すると放蝶したアゲハチョウの翅だと思いました。(写真⑦・⑧)この時期庭にアゲハチョウが何頭も飛んでくるとは思えないし。庭にムクドリが飛来して餌をさらっているのを見ているのでムクドリの仕業だと思います。羽化して2日、放蝶して半日の出来事でした。自然界で寄生バチに刺されないで無事サナギになって越冬して羽化した強い運を持っているアゲハチョウだと思ったけど、自然界の生業はとても厳しいです。もう少し大空を羽ばたかせてあげたかったです。庭のライムの木に戻ってきて欲しかったです。

写真⑦ 202-01【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】

写真⑧ 202-02【アゲハチョウ(アゲハ・ナミアゲハ)】
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