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山の日レポート

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通信員レポート

夏の上高地 ~朝限定の絶景~

2025.07.28

山の日通信員
一般財団法人自然公園財団上高地支部
加藤 銀次郎

盛夏を迎えている上高地。
15℃を下回ることが多い上高地の朝は、ときには12℃以下となり、肌寒さを感じる日も多い。
夜明けとともに、解き放されたような野鳥のさえずりが、朝露を纏った河畔林に響き渡る。

朝霧に覆われた静かな湖畔に少しづつ稜線を表してくる大正池

とりわけ大正池の朝は格別だ。
湖面を埋め尽くす朝霧は徐々に薄れていき、焼岳と穂高連峰が、湖面にその姿を映し出しながら、ゆっくりと我々に迫ってくる。
それは、大正池を舞台とした夏の朝限定の静かなショーともいえる。

徐々に朝霧が上がり穂高連峰のシンメトリーが表れてくる。

どんなに天気が良くても、静かな湖面に山々を映し出す景色を見れるのは朝だけ。
これらは、上高地に泊まった人、あるいは早朝に到着した人のみが味わえる特別の世界なのだ。

幻想的な風景に思わず息をのむ。言葉を交わさずも家族で共有できる瞬間だ!

気象状況によって雲や朝霧の表情は毎日違う。同じ風景は一度たりとも出会うことはない。

上高地の盆地で最も朝が早い場所のひとつが岳沢湿原。
低い角度の日差しが湿原に差し込み徐々に明るさと一日の始まりを描き始める。
日中とは趣も空気感も異なる、ゆったりとした水辺の景色を、心ゆくまで楽しむ人も多い。

朝日が差し込む前の岳沢湿原。静かな流れが一日の始まりを映し出し特別な空気感を醸し出す。

六百山に朝日が当たり、水面の朝霧が徐々に上がっていく岳沢湿原

上高地の平では最も早く朝日が差し込む岳沢湿原の木道

河童橋に日が当たるのは7時過ぎ。歓声と喧騒が訪れる前の静かな河童橋と梓川の流れ。

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