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山の日レポート

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通信員レポート

初冬の上高地 ~霧氷が演出する荘厳の世界~

2022.11.09

山の日通信員
一般財団法人自然公園財団上高地支部
加藤 銀次郎

あと一週間足らずで閉山を迎える上高地。
朝の気温はマイナス6℃。
広葉樹の葉はすべて落ち切り、僅かに残るカラマツの黄色とシナノザサの緑がかすかな彩をつくるなか、白く凍り付いた霧氷越しにほんのり雪化粧した穂高の雄姿が冴えわたる。
 ◇
ワクワク感を押えつつ、池への坂を降りる。
蒸気霧が覆っていた大正池の湖面は徐々に明けていく。その中、霧の彼方に純白の峰々が青空に浮かぶかのように現れる。
神秘的で不思議な光景に今日も出会えた。

田代湿原に向かう。
モノトーンに近いすべてが凍ったかのような景色に、穂高へ差し込む日差しがわずかな色彩をもたらす。
足元のデッキは霜のジュータンとなり、キュッ、キュッと微かな音を響かせる。

静寂の田代池は霞沢岳から太陽が顔を出すと、白く凍りついた霧氷が溶け、白銀の粒となってキラキラと輝きだす。
まさに大自然のイルミネーションがいっせいに点灯したかのよう。
ショーは数分で終わった。

植物に霜や氷の花が咲き、梓川が川霧で白くけぶる。河童橋周辺も毎朝、厳しい冷え込みとともに、この季節ならではの表情を見せてくれる。

上高地は間もなく閉山を迎える。

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