山の日レポート
自然がライフワーク
スマホ昆虫採集#21 『昆虫の綺麗な目に魅せられて』冬尺蛾(フユシャクガ)その2
2024.03.08
フユシャクは冬季にしか見ることができないシャクガ科の蛾の総称です。シャクガ科の中のフユシャクは数種類あります。フユシャクに似てる蛾が夏季にも飛び回っているので見過ごしてしまうかもしれませんね。シャクガとフユシャクガの大きな違いは、オスは翅があり普通に飛び回ってます。ところがメスはこれが蛾なのとビックリしてしまう容姿です。蛾なのに翅がないのです。蛾なのに飛べないのです。歩き回るだけです。解説書を読むと冬の寒い時期が繁殖期です。11月~3月までの期間に出現します。殆どが夜行性です。昼間見つけるのは難しいです。なんでこの様な生態になったのか疑問は膨らむばかりです。
フユシャクガの生息期間は1ケ月ぐらいです。フユシャクガの口は退化してないです。1ケ月間飲まず食わずで、子孫を残すためにオスは飛び回りメスは止まってフェロモンを放っています。冬の餌が少ない時期に餌探しする時間は無駄と思ったのでしょう。幼虫の時に栄養を沢山摂取して冬の1ケ月間は伴侶探しの時間として有効に使うので口が退化したのです。夏と違って冬は天敵が少ないから冬を選んだのでしょう。更に天敵に見つかり難い夜行性になったのだと思います。生きるため子孫を残すためフユシャクガは何万年何十万年かけて生態の変化を重ねて生きてきたのです。4月頃卵から孵化して幼虫(毛虫・芋虫)になり土に潜り蛹になって11月から2月頃に羽化します。
メスはどうして翅がないのかな。冬場飛び回って体力消耗するより翅を失くして体力温存して産卵に集中したいからではなかろうか。そんな風に解釈しています。フユシャクガのメスは飛ぶことができないので行動範囲が限られています。どの様にして子孫を広範囲に送り出すのだろうか。調べてみましたが、その事を解説している文献にまだ辿り着いてないです。想像だけどメスの翅が退化する前に日本中に飛んで行って分布したので日本中何処でも見つけることができるのかも知れない。これは説得力ないですね。フユシャクは雌雄嵌合(かんごう)体(両性の特徴をあわせ持つ)が稀に出現するとのこと。雌雄嵌合体が飛び回って拡散して日本中に広まった。こちらはちょっと説得力あるような気がします。AIチャットで調べたらナナフシの卵は硬いので鳥が食べても消化されない。卵は無傷で排泄される。その後ナナフシの卵は孵化した。これと同じことがフユシャクにも言えるかも知れないとの回答だった。
フユシャクのメスに種類にもよるけど珍しい行動をします。産卵すると身体の大きさが半分になります。産卵した卵の上に自分の身体を覆っている体毛を貼り付けるのです。きっとネバネバした体毛なのでしょう。冬の外気の冷たさとか外敵から卵を守るためにするのだと思われます。身を削って子を守る。昆虫の世界は不思議なことが沢山あります。
2024/2/20
神代水生植物園 調布市深大寺東京都
近くにメスがいるはず。探しました。ほんと探しました。マジ真剣に探しました。
…でも見つかりませんでした。…残念無念…涙…
2024/1/31
黒鐘公園近くの公団住宅の植込み 国分寺市東京都
フユシャクのオス見つけました。近くにメスがいるはずです。
探して探して探し回ったけど……涙涙……いませんでした。
2024/2/14
玉川上水遊歩道 小平市鷹の台界隈東京都
見つけた~フユシャクのオス!!!近くに近くに近くにメスがいるはずだ~。
……探して探して探し回りました……見当たりませ~ん。…涙涙涙…
解説書読むと夜行性なので夜探すと簡単に見つけることができと書いてあるけど。
冬の夜の屋外は寒すぎる。
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