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山の日レポート

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通信員レポート

第11回 親子登山教室 報告

2023.08.18

全国山の日協議会

公益社団法人日本山岳会栃木支部 仲畠正子さん

平成24年に開始された親子登山教室は、今年度第11回を迎えた。今回は親子4組9名と、講師1名、日本山岳会栃木支部スタッフ8名で実施した。令和2年度はコロナ禍で開催を見送り、令和3年度は日帰り登山に変更し実施した。令和4年度第10回目は、コロナ禍第7波の猛威が立ちはだかり、開催日3日前に中止と決定した。今回は4年ぶりに宿泊を伴う開催であった。

9時30分から光徳駐車場にて受付を開始し、全員揃ったところで10時に光徳小屋まで荷物を持って移動する。10時30分光徳小屋の庭で、開講式を行う。支部長の挨拶、日程説明、部屋割り、スタッフ紹介、参加者自己紹介、管理人さんより山小屋使用上の諸注意をしていただく。最近ツキノワグマが出没しているそうで、人間と出会っても逃げないこと、食べ物の後始末や、集団行動の徹底等、充分気を付けるよう促された。その後、荷物の整理、昼食、午後のハイキングの準備をし、11時30分湯元駐車場へスタッフの車で移動する。
11時50分日光湯元ビジターセンターの見学をし、12時、ハイキングに出発。湯ノ湖の湖畔を反時計周りで歩き、湯滝の落ちる地点へ到着。湯滝の脇を下りて、12時50分に観瀑台へ到着。写真を撮った後、人混みを避けた河原で、読図講習をする。
今回の参加者では、3組の方はリピーターでコンパスと地図の見方は経験済み、熱心に読図をしていた。「これから向かう小滝はどこで、どちらに進むでしょうか?」地図記号で分かった!うれしい!!

湯滝観瀑台で写真撮影・読図講習

戦場ヶ原ハイキング

湯川沿いのハイキングコースはミズナラやウラジロモミ、カラマツなどの林で、木道歩きの快適なコースである。小滝の実際の場所を確かめるべく進んでいくと、分岐の所に案内板が出ている。小滝から次の目的地の泉門池(いずみやどいけ)への湯川沿いのコースは通行禁止となり、う回路はこのまま真っ直ぐ進むとのこと。もちろん小滝へ進み、地図記号の意味を確かめた。
14時泉門池到着、この頃には、皆すっかり仲良しになっていた。小学生の団体とのすれ違いが多く、お互いに「こんにちは」と挨拶し合う、アフターコロナで、学校行事が再開できているのであろう。
小田代橋から東に歩みを進め、北戦場ヶ原に入っていく。山王帽子山、太郎山には雲がかかっているが、男体山はすっきり。湿原にはツルコケモモやノアザミがたくさん咲いている。湿原の乾燥化が進み、シラカバの木等の灌木が育っていく様子を確認しながら14時50分光徳入口に到着。
スタッフは湯元に停めてある車を回収した後、途中参加者をピックアップし、15時10分光徳小屋に戻った。

山王帽子山、太郎山には雲がかかっているが、男体山はすっきり

夕べのつどい

夕べのつどいで、参加者代表の井田雄也さんに、明日の登山の抱負を述べていただき、夕食の準備に取りかかった。
小学生4名とスタッフ3名で、定番のチキンカレー(甘口、辛口)シーチキンサラダ、コーンスープを作る。皆やる気満々で、米を研ぐ人、玉ねぎの皮を剥き、スライスに挑戦する人、肉を切る、カレーの玉ねぎを炒めるなど、徐々にやれることが増えていく。
スタッフはなるべく手出しをしないようにして、まな板を洗ったり、切り方を教えたり裏方に徹する。初めて包丁を使う子の親の心境はいかばかりかと思うが、子ども同士の切磋琢磨で成長著しい。

定番のチキンカレー(甘口、辛口)シーチキンサラダ、コーンスープを作る

保護者ミーティング

その間保護者とスタッフはミーティングをしながら情報交換をし、交流を深めた。
18時より夕食、その後、後片付けは保護者が行い、18時40分より再び子ども達で、明日の朝食の準備に取りかかる。梅干しと塩昆布のおにぎり、豚汁を作っている時間に、コーヒータイム。とても美味しかったのは、湧水を水源にしている水と、ゆったりした時間がマッチしたからですね。
19時40分から星空観察会であるが、今年も残念ながら厚い雲に覆われ、雨が降り出し星座の観察ができなかったが、富永講師より、夏の星座の話をしてもらう。21時全員就寝。

保護者とスタッフはミーティングをしながら情報交換

登山教室2日目

登山教室2日目、5時起床。
明け方までの雨が止み、晴天となる。朝食を食べる頃には、裏庭に猿もやってきた。
朝食の後は、慌ただしく後片付けや荷物の整理、清掃を行い、10分前集合の6時50分には、登山準備と出発準備OK。光徳駐車場に止めてある車に戻り、そこから竜頭ノ滝臨時駐車場へ移動した。
駐車場で準備体操をして、7時25分に出発する。竜頭の滝を見学しながら滝上に出る。いよいよ高山登山口を8時に出発。鹿避け柵のゲートを通り抜け、バイケイソウの花がいっぱい咲いている山道を登ると、山腹を巻くように少しのくだりがあり、尾根へのジグザグ道の急登になる。ロープの垂れ下がった岩場になると、先に登った子どもたちから、後から登る保護者へ向け、「ガンバレー!!」と余裕の掛け声が出た。
8時30分、尾根に出たところで、休憩と自然解説①。気温35度以上の猛暑日が続く日本列島、ここは標高1400m付近、それだけで涼しく、木陰で風が通り抜け気持ち良いが、登山により汗が噴き出ており、水分補給に注意する。尾根道は小さなアップダウンの緩い登りが続く。木々の隙間から、昨日歩いた湯滝や戦場ヶ原が見えた。
9時、案内板のある所で休憩を取る。地図読みの時間、今まで歩いてきた道を確かめ、現在地を特定し、この先の高山山頂までの道のりをイメージする。
いよいよ最後の標高差120m程の急登を登る。途中で中禅寺湖が綺麗に見えた。先頭を歩く麦倉委員が「海が見える!」と言うと、「湖だよ」と子ども達が即行切り返すことを何度か繰り返し、急登を楽しく登っていく。鈍い私もやっと気が付く、「ウミ」と「ミズウミ」間違っていないのだ。
9時40分山頂到着。休憩と自然解説②、トンボを捕まえて欲しいという富永講師のリクエストで挑戦するが、捕まえようとすると全然捕まえることができない。それでも、麦倉委員が一匹捕まえて、アキアカネとナツアカネの違いを教えてくれた。また、ダケカンバとシラカンバの特徴も教わる。
10時に下山開始する。急降下、岩場鎖場のある、一番の難所である。皆元気に慎重に下り、無名峠に着く、ここでも休憩をしながら、地図読みをする。ここから中禅寺湖を目指す時、左に曲がって良いのかな?熊窪目指し、さっきの急降下に比べるとゆるやかになった沢沿いの道を飛ばして歩く。

岩場鎖場のある一番の難所。皆元気に慎重に下る。

熊窪にて自然解説

11時10分白い砂浜が開放的な熊窪に到着。30分の昼食タイムとその後、10分の自然解説③。
富永講師は昼食もそこそこにウロウロ歩き回っていたが、意味があった。この木の葉っぱは何に似ていますか?私はわからなかったけど、子どもたちから答えが飛び出す。それは「カエルの手」イタヤカエデであった。紅葉の素晴らしい日光のもみじをわかりやすく教えてくれる。「この木の葉は?ヒントは日光にいる動物だよ」猿猴カエデであった。そのほか、オオイタヤメイゲツ、ウリハダカエデなど教えていただく。いかに多種類の紅葉の木があって、それぞれの違いや名前の由来があるのか、名前を知ると一層自然に近づける気がする。

紅葉の素晴らしい日光のもみじをわかりやすく教えてくれる

閉講式(修了証書授与)

ここからは中禅寺湖畔のハイキング道だが、地味にアップダウンや、崩落して湖に落ちてしまいそうな危険箇所が何個もあり、疲れた身体に眠気も出てきて、危険度が増した。お互いに「ガンバレー!」とエールを送りながら歩いた。赤岩は狭いので、休憩はその先の安全なところで一息ついた。
残り1.5kmを歩ききり、13時10分竜頭ノ滝臨時駐車場に無事到着。直ぐに閉講式を行い、修了証を授与した。

閉講式を行い、修了証を授与

今年も参加者の皆さん、スタッフの皆さんの温かい気持ちと協力のもと、所期の目的を遂げることができました、ありがとうございました。
宿泊を伴う親子登山教室は、4年ぶりの開催とあって、ちょっとプレッシャーに感じました。参加申込者から3組キャンセルが出て、スタッフも病気やコロナに罹患するなど、人数が減ってしまいました。ふたを開けたら、適正人数で、丁度良い規模感で、ゆったり丁寧な教室が開催でき、改めて光徳小屋の持つ包容力に魅了されました。
私は、親子登山教室参加者の皆さんから毎回エネルギーを充満してもらって帰ります。ご自分のお子さんだけではなく、全体を気遣ってくださっているのを感じましたし、何よりも一回り大きくなった子どもたちの姿を見せてくれます。
スタッフの皆さんも、楽しかったですよね。来年度もよろしくお願いします。

(文責:日本山岳会栃木支部 仲畠正子)

PDF:第11回親子登山教室 報告およびスケジュール


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