山の日レポート
通信員レポート
大野藩を舞台にした歴史小説を紹介します
2025.08.02
「わが殿」上下巻
作者:畠中恵
発行:文藝春秋
江戸時代後期、たった4万石の越前大野藩が抱えた藩の年収8年分の借金の返済に、80石の家柄の内山七郎左衛門が抜擢され、財政再建を果たす物語。
全国各地の版画借金まみれにもがく中、奇跡的に財政再建を果たした大野藩は、藩校を設立し「日本における蘭学の中心地の一つ」となり、病院建設そして軍備の西洋化を進める。
黒船襲来で日本中が騒然とする中、藩を守るため財政基盤をより強固なものとするため、七郎左衛門は武士でありながら大坂に商社「大野屋」を設立する。
そして七郎左衛門の弟内山隆佐は、樺太探検を主導し、樺太の一部を大野藩の準領地としたという。何とも冒険ロマン溢れるもの。
幕末の明日が来るか分からない激動の時代に、
「前へ、行かねばならん。
生き延び、明日をみなければならん」
と挑み続けた物語は、迫力ある!
そしてこの大野藩こそ、今年の「山の日」全国大会会場となる、人口3万人に満たない大野市なのです。
この史実にもとずいた物語「わが殿」を生んだ大野市での「山の日」式典・イベント、大いに楽しみです。
(全国山の日協議会)
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