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山の日レポート

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通信員レポート

北アルプスの登山道を未来につなごう ~今年も実証実験が行われます~

2022.05.02

山の日通信員
一般財団法人自然公園財団上高地支部
加藤 銀次郎

今、登山道の維持が危機に瀕しています。

 「登山道は誰が、どうやって整備しているんだろう。」と考えたことはありますか?北アルプスの南部地域の登山道は、山小屋を中心とした関係者の労力と資金、それらを支援する行政の取組によって維持されてきました。しかし、近年、ヘリコプター輸送費の上昇や登山道被害の増加、コロナ禍など、環境の変化により、これまでの枠組で登山道を維持し続けることが難しくなっています。

 そこで、利用者の皆様に登山道維持の現状を正しくお伝えしたうえで、皆様からの協力や参加により登山道を維持していく新たな制度について検討を行っています。本年度も、昨年秋に引き続き任意の協力金(「登山道維持協力金」)を募るとともに、改善点を把握し本格導入に向けて準備を進めるためのアンケート調査を行う実証実験(=北アルプストレイルプログラム)が始まりました。
 ぜひ、取組へのご理解とご協力をお願いいたします。

R4年度の実証実験

 今回の実証実験では、先行して取り組める地域として槍穂高連峰・常念山脈エリアを選定しています。他山域への展開など、今後の取組については、実証実験結果などを踏まえて検討していくこととしています。
【実験の実施期間】
2022年(令和4年)4月27日(水)〜
【実験の対象地域、対象者】
・槍穂高連峰、常念山脈エリアの長野県側登山道を利用する登山者
・上記の登山道の維持にご協力をいただける、すべての方
【登山道維持協力金】
・1口500円~  ご希望の口数で協力金の支払いができます。
・支払い方法   下記専用サイトでのクレジット決済のほか、直接口座への銀行振込と各山小屋に設置された協力金収受箱での現金支払い
・協力金の使途  今回いただいた協力金は、北アルプス登山道等維持連絡協議会が管理し対象登山道の維持に使用されます。
【アンケート調査】
・制度等の改善点を把握し、本格導入に向けて準備を進めるための調査です。専用サイトでアンケートにお答えいただけます。
 ぜひご意見等をお寄せください。

あなたのワンコインが北アルプスの登山道を守ります。

北アルプス登山道等維持連絡協議会の役割

 この地域では、「北アルプス登山道等維持連絡協議会」という組織が、山小屋や地元関係行政機関で構成され、主に制度上管理者のいない山岳登山道の維持補修を数十年にわたって行ってきました。
 この協議会では、自治体や自然公園財団、民間事業者による負担金を元に各担当山小屋に予算が分配されています。また、協議会予算とは別に行政の予算で補修事業や施設の整備を行っているところもあります。一方、登山道維持はこれらだけでは補うことができず、毎年山小屋の「収益からの多額な持ち出し」が発生しています。

 詳しくは、下記「北アルプストレイルプログラム」専用サイトをご覧ください。

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