山の日レポート
通信員レポート
奇跡の花・透明なサンカヨウ
2024.06.03
前日の雨は上がったものの山の中はまだ時折小雨模様。
そんな今日は月山(山形県西川町)の山形県立自然博物園ネーチャーセンターの散策。そろそろタケシマランが咲いている頃なのでその確認と、今日のお天気ならおそらくサンカヨウも透明になっているかも…という密かな期待を持って Let's Go!
タケシマランは5mmほどのごく小さな花で、しかも葉の陰に控えめに咲きますので、意識的にこの花を探がそうとしないとなかなか見つけられない花です。でも、秋になると丸々とした真っ赤な実を付けかなり目立つようになります。私は密かに大器晩成型の花と呼んでいます。
今回は例年より多くの株を見つけることができました。
ネイチャーセンター内のサンカヨウは残念ながら散っていましたが、園地から少し離れたところではまだまだきれいに咲いていました。しかも見事なスケルトン
。 これこれ、これが見たかったのです。 もうため息が出ますね。
白く可愛いサンカヨウの花が透明になるのはある条件を満たしたときに限られます。ざっくりといえば花の時期と天候が2大条件。
サンカヨウが開花して散るまではおよそ5日間から一週間ほど、その咲いている間にシトシト程度の雨が半日ほど降った直後あたりが出会える可能性が高いですね。強い雨では花びらが散ってしまいます。それほど繊細な花なんです。
まさに奇跡の花ですね。
白い花は白い色素で白く見えているわけではなく、細胞の間に含まれる空気が光を散乱させて白く見えているのだそうです。サンカヨウは花びらが濡れるとこの空気の部分に水が染み込んでいきやすい花で、空気が押し出された花弁はこんなふうに透明に見えるんですね。まるでガラス細工です。
ちなみに白い花ならどんな花も透明になるかと言うとそうではありません。
アケビの花は雌雄同株で雌雄異花です。見るからに妖艶な雰囲気がありますね。房状のほうが雄花で、大きい花が雌花、花びらのように見えるのは花弁ではなくガクです。
秋にこの実を見つけると嬉しくなってしまいますね。
ツノハシバミはヘイゼルナッツの親戚なのでその実を食べることができます。アケビ同様雌雄同株で雌雄別々の花がつきます。尾状に垂れ下がっているのが雄花です。
ようやく新緑が萌出したカエデの葉とその花、雨に濡れた風情も味がありますね。
ネーチャーセンターは雪深い月山の麓にありますので園内にはまだまだ雪が残っています。午前と午後の二回、希望するかたには園内のガイド(無料)を行っていますのでいかがですか。自然に興味のある方にはおすすめです。
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