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山の日レポート

山の日レポート

山の日インタビュー

入会された理由は「日本の山道環境を憂いでおり、貴協議会と連携させて頂ければ・・・何かシナジーが生まれたりするのではと思いました。」

2024.02.02

全国山の日協議会

弭間(はずま) 亮さん YAMANASHI MTB 山守人(一般社団法人 南アルプス山守人 代表理事)

2023年11月、一財)全国山の日協議会(以降、当会)の団体賛助会員に入会して頂いた弭間亮さんに入会された理由をお聞きしました。
※2023年12月 対談(聞き手は広報担当理事の三木健一)

YAMANASHI MTB 山守人代表 弭間 亮さん



普及のための大小さまざまな体験会だとか視察という事が多いですね。

お忙しい中、対談のお時間を作って頂きありがとうございました。最近マウンテンバイク等のレースが有りお忙しかったのですか?

秋はイベントなどが忙しくて、今日は、やっと落ち着いてきました。私たちはレースというのは、あまりやっておりません。普及のための大小さまざまな体験会だとか視察対応という事が多いですね。私たちの様な山道のMTBでの公共利用を目指し制度化実現に向けて活動をしている団体は、日本にあまり多く存在しないようなので、どういう風にやっているのか興味を持たれる方が多くて行政からの問合せも多いですよ。

メンバーの協力を得て地域の子供たちがMTBを楽しむ機会を作る



自分たちで山道を整備して走って・・・

日本全国のマウンテンバイクの分野で、YAMANASHI MTB 山守人様のように自分たちで山道(やまみち)を整備し、走る環境を作って、教えたりするという活動をしている団体は他にもありますか?

全国大小さまざまなMTB団体がボランティアベースで一生懸命やっています。当団体は、先ず山道の使用許可をいただくことが必要と考え、山道を管轄している行政機関、地権者、管理者と書面を交わすことをします。そうすると法人格が必要になる場合が多くなります。私が知っている限り、こういう団体を法人格にしているところはあまり聞いたことがなく、山道の許認可について書面でというところはそう多くないかもしれません。

大人も子供も、自分たちが走る山道は自分たちで整備する

行政機関と言うと国とか山梨県になるのですか?

県だったり、市町村だったり、あとは財産区だったり山道によって様々です。山道によって全く状況が異っていて、それを紐解く作業からになります。行政のほうでもどうやって許可を出せば良いか分からない時もあり、逆に相談を受けることもあります。時には行政関係者と一緒に図面を見ながら山に入っていき話し合いをしています。
あとは登山団体や、自然保護団体などとも連携を取りながらやらせてもらっています。許認可を頂いているルートに登山道もありますが、私たちはその登山道整備をさせてもらっています。しかし、そこにいくまでに地域の方々に私たちの活動とマウンテンバイクを理解頂くことが大切で、色々と地域における貢献活動をしたり、コミュニケーションを取らせてもらったりして合意形成を作っていって、それで許認可にたどり着いて、それからやっと自分たちで山道を整備してマウンテンバイクで走って、多くの方に親しんでもらうためのイベントを開催したりしています。

山道の整備とマウンテンバイクライドを同時に楽しむファミリーイベントも開催

入会された理由は?

私たち全国山の日協議会の団体賛助会員に入って頂きましたが、どのようなきっかけで、そのように思われたのでしょうか?

正直、不勉強で山の日協議会様が、どういった活動をされているかあまり存じ上げていなかったんです。
けれども、私たちが長年活動をしてきて、そうですね、10年活動してきて刻一刻と特に山道の環境というのが悪化しているのを確認しているというか、維持管理の仕組みというものが崩壊してきているというのを、痛切に感じております。これまでの維持管理の方法だと、登山団体に所属する人も減少しているなか、今後難しいんじゃないかなと感じています。
私、もともとアウトドアメーカー出身で、山道の状況はある程度は存じ上げているんですけど、近年、気候変動の影響で山道も林道も土砂崩れ、倒木、橋やはしごの倒壊、土留や木道の損壊と言った形で崩壊している状況です。それを行政、山小屋、登山関係者の努力だけでこれまでどおり維持していくのは、今後は困難だろうと思っています。山道を維持していかないともうマウンテンバイクに乗れないとか、そのようなレベルでなくて、自然に入ってくれる人が減ってしまう。もう自然保護も何も無くなってしまうと思うんですよね。

人が作った山道は手を入れ続けなければいずれ荒廃していく

郷土愛とか日本人に生まれて良かったって思う次の世代の人たちが減ってくるというか、そういう風に思えない人が増えてしまうという危機感を抱いています。山道を何としてもしっかり維持管理していかないと社会として良くない方向に行くのではないかと危惧しています。
私たちは、たまたまマウンテンバイクというツールを使っていますが、山道を占有したいとは全く思っていません。山道って日本の一つの共有資産だと思います。山道は昔から人々が生活で必要でした。それをしっかり維持したり、復活させていくことで多くの人たちが山道を活用して、それで人々が再び山に自然に入って行って、社会が少しずつ良くなっていくだろうと考えています。それで当団体としても、登山関係者はじめ様々な関係者と連携しながら山道の維持管理をしています。あとは例えばトレイルランニングとか色々なカテゴリーの人たちが協力をして分担をしてでも良いですし、そうやって山道を維持管理していくのが今後の日本の山道、登山環境の維持管理において、重要になってくるんじゃないのかなと思っています。
それで貴協議会って、あくまで感覚だったんですけど凄い重要なポジションにあるんじゃないかなと、そこに関わらせて頂くことで、何かシナジーが生まれたりするのではと思いました。
貴協議会と連携させて頂ければ、この山道の難しい状況を改善していけると考えて団体賛助会員に入会させて頂きました。貴協議会は、祝日「山の日」を実現したところですし、色んな有名な方々もいらっしゃるので、何かしら良いムーブメントを起こせるのではないかなと思いまして。

ありがとうございます。

幅広い層が山道を楽しめるマウンテンバイク

ステークホルダーは、登山者以外にもたくさんいる

三木 「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という8月11日国民の祝日「山の日」の趣旨を考えた場合ステークホルダーは、登山者だけではないと考えております。あらゆる分野のステークホルダーの方々とお話をしてパズルを完成させなければならない。マウンテンバイクの分野も前々から重要な分野と考えていましたが、なかなか関係者とお近づきになれる機会がありませんでした。そのような中で弭間さんの団体から団体賛助会員になっていただけるという連絡が私に有り、私たちから動かなければならないと考えていたのでびっくりしました。互いに協力させて頂ける機会を得たことは大変嬉しく思います。
私たちは、今後も積極的にHP、SNSで色々な分野の方々のお考え、ご苦労、今取り組まなければならない事を全国に発信していきます。
甲斐駒ヶ岳の伏流水が湧き出る白州の地で約300年にわたり、酒造りを営んできた醸造メーカー様に2023年11月に団体賛助会員として入ってもらいました。生活に欠かせない水も山が有ってからこそ。最近は、自然をより身近に感じる山でのキャンプにおいても若い人を中心に盛り上がっています。もし山が荒廃したら全て出来なくなってしまいますよね。

山梨銘醸様



「自然って大切だよね」と皆が思うようになる

弭間様 山は、適切でない形で開発をされたら、一発でおわり。場所を選んでいくとか自然や山岳の大切さを分かっていないと好きにやっちゃって終わると思う。そこを「みんなが考慮するような社会」になると良いのかなと思います。山を大切にしなければ、山を享受できない。その為には自然に少しでも触れてもらって、そこから全て始まっていく、そこの入口がすごく大切なんです。
入口がすごく狭く、都市と山が隔離されている、そういう生活に日本はなっていると私は思います。
私はイギリスに住んでいたことがありました。イギリスは都市と自然がすごく近くて、あまり隔たりが無い、多くの方がアウトドアアクティビティをやっている。家族ぐるみでやっているので、それで当たり前に自然の大切さを知っている比率が高いなと思っています。日本は都市と自然が隔絶されているような感じで、一度も自然に入らない人もいたりして。そこを少しでもつないでいくという事が必要なのかなと。それで山道というのが、一つ自然に触れる入口になってくると思うんですね。安全で楽しめる山道の環境があると登山に入っていったり、トレラン、マウンテンバイクに入っていくことが出来たり、色々なアクティビティが始まる。それで、「自然って大切だよね」と皆が思うようになる。

今回、弭間様からお話をお伺いして、山を大切にしなければ、山を享受できないという事をあらためて感じました、ありがとうございました。

きれいに整備した山道をマウンテンバイクで楽しむ

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