山の日レポート
通信員レポート
浜比嘉島とヤギ牧場! まーす煮定食!
2023.07.15
琉球の開闢神話にシルミチュウとアマミチュウのご夫婦神の話がある。イザナミ・イザナギ神がおのころ島で大八洲を生み出したと同じような内容だ。琉球の祖先のお墓はうるま市の海中道路の先の浜比嘉島にある。
2008年に地平線会議は浜比嘉島の人たちと一緒にお祭りを行った。私も司会者のひとりとしてかかわったが、一番の功労者はこの島に移住したばかりの外間晴美さんだった。FBでつながっているので消息は知っていたが久々に尋ねてみたいと思い、運転をしてくれる卒業生の坂下君にお願いした。
外間さんは今ご夫婦でヤギ牧場の経営をしている。「ヤギはヤギ汁になるの?」と思っていたが、ここのヤギはペットとして飼われている。子ヤギは都会のペット犬猫に比べてはるかに生き生き溌剌としてかわいい。ペットヤギの需要は多いのだそうだ。
しかし大きくなると力も強くて飼えなくなるので返しに来る人もいるという。ちょうどこの日巨大ヤギに別れを告げている元飼い主が来ていた。ヤギは従順に人の言うことを聞くことはない。長年飼われていたヤギはひどく暴れて、ほかのヤギから引き離されていた。飼い主の気持ちがわかるのかも!
子ヤギたちは晴美さんの背中に飛び乗ったり抱き着いたり好き放題に遊んでいる。地平線のお祭りは「あしびなー」だったが、それは「遊び場」という意味。晴美さんの牧場はまさにあしびなーだった。私はヤギ汁は嫌いだが、子ヤギと遊ぶのは楽しい。散々楽しく遊んで牧場を辞したあと思いだした。『子ヤギと散歩500円』と書いてあった。
「しまった、忘れた!ゴメン!」次の機会(もう年寄りなので次はないだろうけど!)に倍にして払いますのでご勘弁を!
浜比嘉大橋のたもとに「いま魚まーす煮定食」という看板の食堂があった。坂下君に聞くと「今日上がった魚の塩煮定食」の意味だという。塩煮ってのは初めてだから注文した。レンコダイという迫力感のある海水魚、白身魚の王様がでて来た。大変美味だった。
追記:私のノー天気なヤギ牧場印象に外間さんのシビアなコメントが届いた。
「三輪さん、ペットのヤギとはいえ最終的には食べられる運命です。沖縄の食文化です。」
都立大学山岳会員、地平線会議世話人、大人のための科学塾「みわ塾」主宰、元都立高校教師、ジャーニーランナー、狛犬愛好家
著書『僕のトルコ語修行』『ちょっとそこまで走り旅』『ジャーニーランの勧め』『地域からつくるあしたの地球環境』など
※地平線会議:
代表江本嘉伸:1979年8月に「日本人の地球体験の共有記録」をしようと設立された団体で「地平線通信」(518号:23年6月現在)を発行し毎月「報告会」を続けている。5月の報告者は貞兼綾子さん
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