山の日レポート
通信員レポート
谷川岳夏間近
2023.06.06
6月4日(日)、初夏の雪と岩のコントラストが美しい谷川岳へ。台風一過、早朝から爽やかな青空が広がっていた。西黒尾根の取付きは急な樹林帯の登り。前日までの雨のため少しぬかるみ歩きにくい。
鉄塔を過ぎた辺りから足下も良くなり、気持ちの良い樹林帯を登って行く。ウラジロヨウラクの小さな花々が咲き誇っていた。
樹林帯を抜けると、一気に視界が開け、ラクダのコブの岩場となる。一面に青空が広がり遠くは富士山まで望むことができた。足下にはショウジョウバカマやコイワカガミ、岩の隙間からは、ホソバヒナウスユキソウも顔を出し始めていた。
ここから少し下り、頂上への急な登りが始まる。西黒尾根の核心部だ。右手はマチガ沢、左は西黒沢。登山道には、明確にペンキで登路が示されているが、急な岩場の登りは十分注意したい。一般道とはいえ、日本でも有数の急登で知られる西黒尾根では転落事故も起きている。なお、山頂下の雪田まで尾根上の雪は消えていた。やっとたどり着いたトマの耳の山頂ではたくさんの登山者が360度の大パノラマを楽しんでいた。
下山は、肩の広場の雪田を慎重に下る。例年7月初めころまで雪が残るが、雪解けの早い今年はもう少し雪消えが早いかもしれない。
天神尾根はもっとも容易な谷川岳への一般コースだが、肩の広場は遅くまで雪が残り、雪が消えてからもルートを誤りやすいので、下山時は慎重にルートを見極めたい。また急な岩場もあり、転落事故も起きている。気を引き締めて下りたい。熊穴沢の避難小屋まで下れば、一安心だ。西黒沢側のまき道をたどり天神平へ。天神平で一休みしたら、谷川岳や正面の白毛門、朝日岳などを眺めながらロープウェイで一気に土合口へ下る。谷川岳の夏を間近に感じた一日だった。(日本山岳会群馬支部 田中規王)
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