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山の日レポート

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通信員レポート

第28回写真展「心に映る山々」の作品を振り返って第4回目/全6回

2022.07.27

山の日通信員
日本山岳会アルパインフォトクラブ
田口 克彦

第28回展の「撮影者の心に映った山々」を振り返ります。第4回目

 私達アルパインフォトクラブは公益社団法人日本山岳会の文化活動の一つとして、山岳写真に魅せられた会員達の同好会として平成4年(1992年)に結成し、映像(写真)を通して山岳自然の美しさを知っていただきたく、毎年、写真展「心に映る山々」を開催して参りました。
 昨年2021年12月に、第28回写真展を開催しました。
 この度、当クラブは「山の日通信員」として作品作りの想いを撮影者から振り返っていきます。国内の写真を6回に分けて隔月でご案内させていただきます。第4回目をご案内しますので、ご覧ください。

花澤 廣巳「稜線爽快」撮影地:北アルプス・大黒岳 撮影月【8月】

 コロナ前の7月末、後立山連峰には強い西風が吹いていて南北に連なる稜線にぶつかって、長野側に雲を発生させています。冬には稜線の雪が雪崩となって長野側の山を崩して鋭い崖を作っています。このとき八方尾根から唐松岳に上がり、唐松山荘から五龍岳まで縦走し、五龍小屋宿泊。また唐松山荘に戻りました。風は相変わらず強く、長野側の谷から渦のように雲が絶え間なく上がってきます。後方の山が唐松岳ですが、雲が取れません。朝7時前の、朝日射す爽やかな稜線歩きです。黄色い花ミヤマダイコンソウが強風に揺れています。

花澤 廣巳「稜線爽快」

高橋 秀夫「槍ヶ岳遠望」撮影地:北アルプス・鷲羽岳 撮影月【8月】

 「鷲羽岳の山頂近くまで急坂を登っていくと、右手下方にすり鉢型の火口湖・鷲羽池が目に入る。底には水を湛え美しい景観を醸し出している。ここから一級の眺めが、鋭く天を突く鋭鋒槍ヶ岳である。美しいシルクのベールが漂う大空間の先にたたずむ槍ヶ岳と、背景の水平に伸びる白雲に惹きつけられる。空気感を演出するベールが消える前にと急いで撮影に入る。前景の濃緑が縦型画面のバランスを整えてくれた。」

高橋 秀夫「槍ヶ岳遠望」

山口千惠子「高原に咲く」撮影地:北アルプス・栂池 撮影月【8月】

 栂池高原は7~8月の花時から紅葉の10月末頃までなら誰でも楽しく散策できる自然庭園になった。この作品は8月7日より風吹大池に往く途中立ち寄った花時で、白色はオニシモツケ・黄色はオタカラコウの群落です。

 最初に訪れた栂池は1969年8月で、半世紀も前の話。駅から朝夕しかないバスで赤ヌケまで行き、曲がりくねった林道と、神の田圃(まさに田植え状態)の中を歩き、やっとの思いで栂池湿原にたどり着く。
 入口には、ポツンと小さい山小屋があるのみ。水道もなく静かで幻想的な柔らかい草原をもったいなくて少しだけ踏み入った記憶があります。

山口千惠子「高原に咲く」

会員募集中です!

 活動は、毎月第2火曜日に日本山岳会本部ルームで月例会を開催、年1回の作品展を開催しています。
 地方在住者の方もリモートで参加できます。また、カメラ初心者の方も歓迎しまうので、お気軽にお問合せください。見学だけでもお承りします。

メールアドレス

アルパインフォトクラブへのお問い合わせは、こちらからお気軽にお願いします

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