山の日レポート
山の日草の根運動
山が泣いています ~中国山地の山里から~
2021.08.19
『ひろしま「山の日」県民の集い実行委員会』関係者の畝崎さまから、先日の豪雨災害について、投稿をいただきましたので紹介します。
(ここから)
8月8日から8月16日の正午まで、広島県安芸高田市の山里で過ごしていました。ニュース等で安芸高田市の豪雨災害の様子が流れ、皆さまには私の消息などご心配いただき連絡などいただきました。いま(8/16午後3時)元気に自宅に戻りました。
15世帯約30人が暮らす周辺からは閉ざされた静かな山里にも今回の豪雨は襲い掛かりました。
12日からいつもより多めの雨が降り続け、特に13日の明け方から3時間の激しい雨で、一気に小さな川に水があふれ、ごうごうと水しぶきを上げ猛烈な勢いで水が流れ始めました。道路や田んぼも激しく水が流れる川になりました。
後でわかったことですが、いろいろなところでの鉄砲水、斜面の土砂崩れなどで道路は塞がれ、わが集落は周辺と全く行き来できない状態になりました。
13日午前中、私の家の近くでものり面の土砂崩れがあり、道路が半分塞がれている事がわかり、安全確保と状況を確認し、安芸高田市役所すぐやる課や集落の役員の方に伝えました。
周辺でも大きな災害が起こっている様子ですので、数日間は閉じ込められることを覚悟しました。
大学の山岳部時代には冬の北アルプスの稜線で吹雪が去るまで1週間程度テントや雪洞で沈殿していた経験もあります。それにわが菜園には野菜、トマト、ブルーベリーもあるので、周辺の心配をよそに私の方は覚悟を決めて割と落ち着いていました。
幸いライフラインの支障はありませんでしたが、わが家はそばを通る県道から標高差20メートルの小高い丘の上に建っており、万が一のことを考えて、斜面から離れた納屋の2階にキャンプ用の寝袋、テーブル、椅子、ガスコンロ、数日分の食料、懐中電灯、本など持ち込みました。結局、納屋の2階で2日間過ごしました。
安芸高田市役所の対応も素晴らしく、雨が小休止状況になった15日の午後には道路の土砂は除去され、車が通れる状況になりました。
広島市内の自宅に帰る際、集落や周辺の状況を確認すると、ここからというような小さな谷からの鉄砲水で土砂や倒木などが流れ、川を塞ぎ、川の水が田んぼや道路にあふれたことが想像できます。
降水量もさることながらすぐ近くの山が荒れていることも大きな災害につながっているように思います。
8月11日は「山の日」ですが・・。こんなに暮らしのすぐそばで、山が泣いています。
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