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山の日レポート

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通信員レポート

石割山登山道補修プロジェクト

2023.07.07

山の日通信員
認定NPO法人 富士山世界遺産国民会議
大庭 大

5月29日〜6月4日に実施されたNPO法人富士トレイルランナーズ倶楽部が取り組む「石割山登山道補修プロジェクト」に参加しました。石割山は山梨県南都留郡山中湖村・忍野村・都留市の境界に位置する標高1412mの山で、中腹にはパワースポットとして有名な石割神社があり、山頂からの富士山の眺望は“富士山がある風景100選”にも選ばれています。富士山の絶景を求めて多くの日帰りハイカーやトレイルランナーが訪れる道ですが、流水や踏圧による洗掘が進んで、登山道が深く削られたり、樹木の根が露出して大きな段差ができている箇所が目立っていました。
このプロジェクトは昨年5月にスタートして、今回は第3弾。大雪山・山守隊代表の岡崎哲三さんの指導の下、ボランティアが集まり、「近自然工法」を学びながら補修作業を行いました。「近自然工法」とは、「自然に近づける」「自然に近い方法を使う」ということ。自然を観察して原因を理解し、自然の成り立ちを考えながら崩れた場所の施工を行うと、歩きやすいだけでなく自然環境が甦り生態系が復元していきます。復元した植物は土壌を安定させ、結果的に施工物が長持ちするようになります。今回の作業では、1年前と半年前に補修した箇所を経過観察することができ、徐々に植生が復元していく様子を観察することができました。
私は上記期間のうち2日間参加して、補修資材の運搬や木柵階段の設置作業に携わりました。その他、期間を通じては、植生復元の良い兆候が見られる箇所の養生、山頂の裸地化した箇所への椰子ネットによる養生と立入禁止柵の設置などが行われました。

山頂直下のガリー侵食でブナの根が露出した箇所に木段を設置して、侵食部分を埋めました。

丸太を組んで、隙間を木端で埋めて土を入れて木段を仕上げて行きます。

1年前に設置した石割神社そばの木段。補修箇所が安定して法面の傾斜が緩みつつあります。

半年前に積んだ椰子土嚢の目の間から、植物の芽が出始めていました。

自然観察とともに大切なのは計画。その場所に合った施工方法を考えます。

木段を組み上げていきます。

補修資材の丸太と土砂。荷上げには電動ウィンチも活用しました。

登山道の資材荷上げは人力で。

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