閉じる

ホーム

  •   
  •   

閉じる

山の日コラム

山の日コラム

通信員コラム

「富士登山古道」のすすめ

2023.05.23

山の日通信員
鉄道運転士
油井智

いつでも楽しめる富士登山

富士山の登山シーズンは例年7月~9月上旬ですが、それは五合目よりも高いエリアの話。
五合目より下は、いつでも富士登山が楽しめます。
「木山」とよばれる一合目~五合目は自然が豊かで、四季を通じてさまざまな動植物を楽しめます。
つい先日は、ハルゼミの蝉しぐれを聞きながら登りはじめ、五合目近くではフジザクラ(マメザクラ)が咲いていたりと、季節の移り変わりを楽しみました。このときの発見は、カラマツの新芽の柔らかさ!まるでビロードのような肌触りは、トゲトゲした見た目からは全く想像ができません。気持ちが良くて見つけるたびにてのひらで撫でて歩きました。

フジザクラ。うつむいて咲くのでオトメザクラの別名も。

コメツガの「コメ」の部分。

春から夏にかけては色々な花が登山道を彩ってくれます。

富士山の「歴史みち」

戦国武将や江戸の町人たちがこぞって訪れた富士山。その歴史を感じられるのもこのエリアの魅力。私は勝手にこの一合目~五合目の区間を「富士登山古道」と呼んでいます。

一合目手前の禊所では、庚申(かのえさる)の年に一夜で生まれたという富士山の伝説にちなみ、狛犬ならぬ「狛猿」がお出迎え。道端に置かれた道者たちが奉納した石碑や、崩れた茶屋の多さからは、いかに多くの登山者がこの場所を訪れていたかが偲ばれます。

富士山が世界文化遺産に登録されて、今年の6月で10年。この記念の年、みなさんも富士山の懐の深さを体験できる「富士登山古道」を歩いてみませんか?

狛猿。平成の修復で設置された比較的新しい石像も雰囲気のある佇まい。

道者たちが奉納した石碑。刻まれた年や出身地を読み取るのも楽しい。

馬返しの茶屋「大文司屋」は貴重な営業小屋。富士山の水で淹れたコーヒーが絶品。

RELATED

関連記事など