山の日レポート
通信員レポート
富士山ハイキング
2023.05.06
2日目 「逆さ富士」も見れて、満足感一杯で朝食をとり、さあ、いよいよハイキングです。
リュックサックにお茶とおにぎりと一応雨具も入れて、ローカットの登山靴を履き、待ち合わせ場所の鳴沢氷穴へ向かいます。
案内センターでは落ち着いた雰囲気のネイチャーガイドのAさんが笑顔で待ってくれていました。
簡単なあいさつの後、地図を片手にコース説明、午前中は樹海を抜けて、紅葉台と三湖台をめざして登ります。
上り坂が苦手な私は二人の背中を追いかけながら息を切らしてついて行きました。
展望台まで行くと富士山の姿、疲れが吹っ飛びます。
樹海の樹々はまるで大海原のようです。
Aさん「高さが揃っているのはなぜだかわかりますか」
「・・・?」
Aさん「溶岩地層でしっかり根をはれないから、25m以上になると木は倒れてしまいます。」
「なるほど・・・」
西湖民宿村に向かって下りながら、昭和41年の台風で壊滅した集落が対岸の安全な場所に移転して西湖民宿村ができたこと、本栖湖、精進湖、西湖は一つの大きな湖が噴火によって三つに分かれたもので、標高が同じ902mおそらく湖底でつながっているらしいこと、西湖の周辺には変わった地名が多く、由来をたどるとアイヌの言葉につながるようだ等々、興味深いお話をお聞きしました。
おにぎりとお茶でお昼休憩。最高に美味しい!
民宿村からコウモリ穴を経て西湖野鳥の森公園の横を通り、竜宮洞穴、富岳風穴、最後は鳴沢氷穴へ戻るコース。
ネイチャーガイドさんをお願いしたのは、樹海の怖いイメージも手伝って二人きりだと道に迷うかもしれないと心配になったことと、地元の方ならではの詳しい説明を聞きたいと考えたことが理由でしたが、大正解でした!
私達は迷い道の心配もなく、富士山の噴火、溶岩の流れ、全てが焼き尽くされた遠い日を想像し、気が遠くなるような時を経て蘇った樹海の自然を満喫しながら歩くことができました。
溶岩や地表を這うような木の根、倒木にも緑に輝く苔がびっしりと生えています。水を貯えることができない多孔質の溶岩土壌に上に樹海の森があるのは、緑に輝く苔が霧の中の水分を貯えて、その水分で樹々は命をつないでいるのだ。と説明を聞くと、苔がさらに輝いて見えます。
鳥のさえずりが響きます。木漏れ日は思いのほか明るく温かく、空気は心地よく冷えています。
フィトンチッドをたっぷり吸って竜宮洞穴につきました。
ヒノキやツガを見上げ、ソヨゴやミヤマシキミの幼木の群生に不思議な生命力を感じ、足元の可憐な花々に見とれては足を止めて、予定時間をすっかりオーバーした樹海散策。最後に鳴沢氷穴を見学したのは午後4時過ぎでした。
ネイチャーガイドのAさんに感謝と別れを告げて、心地よい疲れと達成感を携えてホテルに戻ると午後5時。
明日は雨の予報だから今日が見納め、飽きるほど富士の雄姿を眺めて夜が更けていきました。
3日目、雨の最終日につづきます。
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