山の日レポート
私の山の日
蔵王山行 お釜を目指す
2022.08.17
パラリンピック(アテネ大会)マラソン金メダリストの高橋夫妻(勇市様、嘉子様)が、山の日全国大会前日8月10日に蔵王登山を行いレポートを送ってくれましたのでご紹介します。
視覚障碍者の主人が蔵王登山を計画した。
初心者向けの山というが、登山が未経験に近い私一人で主人のサポートとは、無謀だ。そこで、百名山を半分以上制覇しているベテラン山ガールのTさんに同行をお願いした。
ルートは刈田からを選択、上山市から無料のシャトルバスを利用する。1時間以上の乗車で到着地は既に涼しい山の気候。こんなに登って運賃が無料なんて、山形県の気前の良さに感謝する。
刈田リフトに乗車。
心配する私に「大丈夫、大丈夫」と豪語していた主人であったが、乗り場では怯えた犬と化す。
しかしスタッフはプロで慣れたもの「乗車位置にまで立ってもらえば大丈夫ですよ」と頼もしい。
私がまず先に乗り、次に乗る主人を見守る。無事乗車。地面は意外に近く「飛び降り禁止」の看板も、確かに飛び降りられる高さだ。
しかし後ろでは怯えた主人がリフトに渾身の力でしがみついている。見えないから恐怖心が強いことは分かるが、思わず笑ってしまう。後方からTさんがこの姿を撮影。
まずはメインスポットのお釜を目指す。
整備されているとはいえ岩道の急坂、後方で私のリュックにつかまる主人の手に力が入る。転ばないようにユックリ、ユックリ。
簡素なスニーカーで若者がヒョイヒョイ抜いても気にしてはいけない、安全第一なのだ。
マイペースで進み、お釜周囲に到着。
エメラルドグリーンの眩さに感動!絶景を眺めての登りは、疲れが無い。「お釜、きれい」「お釜、素敵」を連呼する。しかし「差別用語はだめ」と主人に窘められる。そうか音だけ聴くと、LGBTの蔑視になる。
次回は熊野岳山頂に向かうレポートが続きます。
※全国山の日協議会は、障がい者スポーツ支援等、誰もが山や自然に親しむ機会を応援していきます。
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