山の日レポート
自然がライフワーク
『ブロッケン現象』①
2022.01.10
前号で、「車窓景観」と題して列車からの山写真を紹介したが、今回はその続編で飛行機からの「空窓景観」です。
いくつか載せておこう。
主役は富士山ではあるが、学生時代に北アルプスと南アルプスを縦走中に感激して出会ったブロッケンが、飛行機の窓からも見えたので、今回のタイトルを「ブロッケン現象」とした。
出典は、高畑ニュース#183(ブロッケン現象2006.10.4)、#184(空窓景観、2006.10.5)からの抜粋。
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2006年9月20日午前8時千歳発JAL3100便で中部国際空港(セントレア)に向かう。台風13号の影響で危ぶまれたが、予定通り離陸。右側後部、翼の無い窓側の席25Hから雲間にくっきりと海岸地形が見える。天気は名古屋に向かうにつれ回復に向かうし、絶好の空窓景観が楽しめそうだ。
いきなり、感動のシーンが眼下の雲に映し出された。
世にも不思議なブロッケン現象である。ブロッケンのお化けともいう。朝日が光源となり、飛行機がフィルム、そして雲がスクリーンとなる。雲に飛行機の影が映り、その廻りに円形の虹がかかる。完璧な写真が撮れた(写真1)。
注:ブロッケンとはドイツの山の名前
私が初めてブロッケンを見たのは大学2年の夏、大町実習旅行後に登った針ノ木岳。自分の影の廻りに虹が出て驚いた。
2回目は大学院時代、南アルプス北岳から間ノ岳を縦走中、かなり長い間出続けた。手を振ると影も手を振り、歩くと影も虹も歩いてついてきた(写真2)。
3回目は2005年3月ニュージーランドからの帰国便で夕方セントレアに着陸する10分前、夕日に照らされた飛行機の廻りに虹が出た。
これから飛行機に乗られる方は、朝夕の離着陸前後にかなりの確率でみえるので、翼に邪魔されない太陽と反対側の席を取り、注意して雲を眺めてみて下さい。
今回の札幌からの飛行時間1時間45分の間、後部座席が空いていたので、左右の席を行ったり来たりして写真を撮り続けた。その数232枚。以下、空窓ベスト写真を札幌から順に紹介しよう。
写真3は函館。陸繋島(トンボロ)上に立地する函館の市街地。右横の緑の森が五稜郭跡。
写真4は十三湖。岩木川の河口に広がる十三湖(右下)は周囲25kmの潟湖。砂州上に集落が並ぶ。中世、安藤一族の拠点。この中世幻の湊町を90年代前半に富山大学考古学教室が発掘。
写真5は能代港。米代川河口にあり、埋め立て地には火力発電所が見える。Google earthには負けるが、飛行機の窓からもそこそこの写真が撮れるものである。
写真6は男鹿半島:入道碕と戸賀湾がよく見える。大晦日の夜、なまはげがやってきます。
写真7は飛島:2001年8月の酒田実習で訪問した。通婚圏(T.奈緒子)、観光とイメージ(N.夏子)、購買行動(Y.浩平)、生活意識(Y.拓)が報告書に掲載されている。
写真8は船からの飛島全景:酒田へ帰るフェリーから撮影(200.8.3)。こんなに真っ平らな島って他にあるのだろうか。
※TM山ニュース#4『ブロッケン現象』②に続く 空窓ベスト写真紹介が続きます。
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