山の日レポート
山の日草の根運動
「海中ゴミ専用」ゴミ箱の設置について
2021.06.25
西伊豆には海流と風でとんでもない量の海洋ゴミが流れ着くのでしょう。
西伊豆町にお住まいで、ご自身の軽トラを動員し、毎日欠かさず浜のゴミ拾いをしている松本さんの活動をご紹介します。
報告者:西伊豆在住 松本 恒明(令和3年4月17日作成)
1 設置者 南伊豆町伊浜区長 斎藤 明
2 協力団体 南伊豆町、伊豆漁業協同組合南伊豆支所
3 設置年月日 令和3年4月17日(同日から供用開始)
4 設置場所 南伊豆町伊浜605-1(伊浜漁港海岸道路沿い家庭ゴミ集積所)
世界的にプラスチックごみは増大の一途をたどり、2050年には、地球上の魚の量より海洋プラスチックゴミのほうが多くなるとの推計もある。
このような状況において、「海中ゴミ専用」のゴミ箱を設置することにより、私達がすぐできるプラスチックごみの削減及び回収に努め、情報を発信することにより、きれいな海、豊かな海、豊かな漁場を未来に繋げ、持続可能な社会を実現していくことに寄与することを目的とする。
併せて、伊浜区として参加している、静岡県の「6R県民運動」を推進していく。
(1)南伊豆町は、町内全34区を上げて、道路、河川及び海岸の清掃・美化活動を推進してきた。
(2)平成6年(1994年)、南伊豆町が実施主体となり、全国に先駆けて中木海岸においてダイバー及び住民等による海中クリーン作戦(海中及び海岸のゴミ掃除)を実施し、その後伊浜海岸でも実施し、形態を替えながらNPOにより現在も継続されている。
その間、同事業を中心とした海を生かしたまちづくりにより、南伊豆町は平成9年(1997年)に、「うるおいと活力のあるまちづくり」として自治大臣表彰を受けている。
(3)上記のような経過・活動の他に、伊浜地区においては、台風や高波の後の漁港への漂着ゴミの回収・処分を、漁業者を中心に区民ボランティアで行い、高齢化が進む現在も環境に配慮した地域づくりを実施している。
世界的には、プラスチック等の海洋漂着ゴミは減る気配がなく、2050年には、地球上の魚の量より海洋プラスチックゴミのほうが多くなるとの推計もある。
また、今後、地球上の全人口の増加に伴い、プラスチックの需要≒ゴミは増加の一途をたどると言われている。
(4)地球規模の漂着ゴミ、気候変動等に地方の自治体の、そのまた最小単位のコミュニティである伊浜区ができることは限られるが、自分たちにできることから着手しようと区長以下の役員で模索するとともに、令和2年11月には、静岡県の「6R県民運動」に伊浜区として参加している。
(5)町の不法投棄監視員である区長代理松本恒明は、平成31年(2019年)1月からウォーキングをしながら海岸、道路等のゴミ拾いを行い、令和2年(2020年)2月に始めたインスタグラムで鎌倉市の @umiwokilini さんと知り合い、同氏から「海ゴミ専用」ゴミ箱の寄贈を受けることとなり、4月7日に鎌倉市で受領した。
(6)海中ゴミ専用のゴミ箱は鎌倉市が発祥で、同市腰越漁港には、漁業者、漁協及び市等の協働により、令和1年(2019年)5月に設置し、現在に至っている。
伊浜区内への設置に当たっては、伊浜区長以下区役員で協議するとともに、漁業者の協力については、伊浜地区選出の伊豆漁協南伊豆支所役員の斎藤与一氏にご尽力いただき、南伊豆町生活環境課の鈴木ミエ主幹には、可燃ごみ収集委託業者との折衝等にご尽力いただいた。
また、地区内への周知として、4月15日に回覧板で区民に概要をお知らせした。
(1)ゴミ箱に投入できるものは、当分の間、可燃ごみのみとする。
(2)海中、海上及び海岸等で、漁業者、地元住民及びダイバー等が回収した可燃ごみを、可能ならば簡単に水洗いして、ゴミ箱内に設置したカゴに投入し、町の可燃物収集日に町の収集委託事業者が回収する。
(3)漁業者の個人的なゴミ、家庭ゴミ及び釣り人等観光客のゴミなどは、投入禁止。
(1)当面、町内全漁港・港湾12施設に設置できるよう、伊豆漁協南伊豆支所及び町生活環境課等に提言していく。
(2)その後、上記団体等と連携しながら、伊豆半島漁港・港湾に拡大し、伊豆半島から情報を発信していくことができればと考えている。
(3)静岡県の「6R県民運動」を推進するとともに、区民及び観光客・釣り客等の交流者へのプラスチックの使用抑制、ゴミの排出抑制、削減、回収、啓発及び情報発信等に係る活動を出来ることから継続的に行い、持続可能な社会の実現に寄与していくことが責任世代としての責務と認識している。
里山整備、浜辺のゴミ拾いと自然保護、景観保護等々。世の中には、素晴らしい活動をなさっている人が沢山いらっしゃいます。山の日協議会では、こうしたいろいろな活動を「山の日レポート」でお伝えしていきます。それらの活動が繋がり、線となり面となり、更に大きな輪になれば良いと感じました。
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