
山の日レポート
第10回山の日岐阜
第10回「山の日」記念全国大会岐阜in飛騨高山 記念式典トークショー【政策提言・総括】 岐阜県知事 江崎禎英様
2026.08.14
8月11日(火)記念式典<第三章>山と共に
トークショー におきまして、江崎知事から貴重な政策提言・総括のお話を聞くことが出来ました。
政策提言というとちょっと大げさですけど、まず岐阜県なんですけども、岐阜県の話をする前にですね、先ほども挨拶にもありましたけど、世界の森林率は31パーセント、これに対してですね、日本の森林率は67パーセント。まさに山の国だという話がございました。じゃあ岐阜県はというとですね、先ほど来、岐阜は木の国山の国と言ってますが、これにあの森とか入るとですね、驚くなかれ山しかないです。見事なくらい山なんですよ。森林率87パーセント。全国第2位です。1位はどこかというと高知県です。ほとんど率が一緒なんですが、大事なのはですね、豊富な森林資源、そして実は保養水力といって水力発電のポテンシャルが日本一です、岐阜県は。やっぱり山の恵みはもう一つ水もですね、関わってくる。この豊富な資源をどのように生かすのか、そしてそのさらにはですね、この日本の課題も解決してしまおうじゃないか、そんな思いであります。

政策提言・総括 岐阜県知事 江崎禎英様
多分皆さん同じだと思いますが、そんな中でですね、日本の林業の課題に私も山の育ちで山を持っておりますので、うちの山こんな感じなんですよ。これ何かというとですね、戦後、木材需要があって、この山のてっぺんまで、特に針葉樹を植えたんですけど、残念ながらですね、木材がほったらかしなんですよ。で、これがですね、特に密集して植えることによってまっすぐにしようというですね、もともと伝統がありますから、苗をたくさん植えます。たくさん植えたままになってしまっているで、何が起こるかというと、植え過ぎの木になります。で、実はですね、山の木はですね、成長すればいいというものではなくて、特に針葉樹は80年を超えると中が空洞化していきます。材としてもですね、価値がなくなるので切らなければいけないんです。だから守る守るということではなくてですね、切っていかなければですね、山が荒れてしまうと。まさにそういう状況になっていますから、どうやって関わって切っていくのかというところです。

植え過ぎの伐らなさ過ぎ!
もう少し言いますと、間伐ができないとこんな感じの山になります。光が遮られることでですね、地面が露出しますし、育たないです。そして最近はですね、切り捨て間伐といってですね、間伐するけど山にほったらかしにしているので。どうですか、皆さん。もしちゃんと手入れをするとですね、こんな山になるんですよ。緑綺麗でしょ?実は最近山火事が止まらないでしょ。で、右のような山だとですね、実は山火事って起きてすぐ消えるんですよ。私も子供の頃山火事を経験してますけど、まあまあ3時間ぐらい消えるんですけど、左の山だとですね、一旦火がついたらもう止まらないっていうのですね。まさにこれはですね、自然災害ではないんだということですね。それをしっかりご理解いただくといいかなと思っています。そうすると放置をするとですね、ただ荒れるというだけではありません。手付かずのまま放置するとですね、大変なことになります。まさに土砂災害ですね。今もう本当に気候変動と言われてますが、実は皆さんご存知ですか?第1位の高知県。毎年台風が直撃しますが、ほとんど山は崩れません。手入れができてるからです。ですから、本当にそのことをね、我々考えないといけない。そしてほったらかしですから、木の材の性質も低下します。枝打ちやりませんが、節だらけの材でですね、価値が下がります。そして最近クマが出てきますよね。で、これはただ単にクマが増えたというよりは、人が山に入らないから、彼らもですね、餌を求めて出てくるということになってしまいます。ですから、大事なことはですね、一部じゃなくて、この広大な山にどうやって関わっていくのかということがですね、大きなテーマです。

国民生活に重大な問題が発生する可能性が高い。
もちろん先ほど来ありますようにですね、しっかり木材を使っていくということ、これも大事なことなんですけど、人口減少のこの国においてですね、ガンガン家が建つわけではありません。一方で、最近アウトドアブームでですね、こうした薪、大変人気です。こうしたですね、ストーブもいいんですけど、量が全然足りません。で、この山を生かしていくためにはですね、今これバイオマス発電ということもですね、大事になってきてます。ただ、私も元資源エネルギー庁の委員として言うとですね、バイオマス発電のですね、課題は。動かし始めたら、ずっと燃やし続けなきゃいけないんですよ。山から木が下りてこないという問題。もう一つはですね、一旦発電してしまうと電気は溜められないっていうですね、この問題があるのでですね、非常に今苦慮しています。
そしてここでですね、我々が提案したいのがですね、じゃあ溜められるエネルギーってないのかというとですね、これバイオコークスです。これは何かというとですね、木や牛糞から石炭の代わりになるエネルギーを作ろうじゃないか。これ今大々的にやってますけど、何かというと、まさに今日本が直面する課題ですね。ホルムズ海峡でですね、いかにエネルギーがないことがつらいことかということを感じました。そしてトランプさんは関心ないようですが、トランプさんがいなくなると何が起こるかというと、またカーボンニュートラル、環境問題が復活してきます。これに対しても新しい状況の中でですね、どうこれに答えを出していくのか、これが一つの答えとしてですね。大阪大学で開発された技術です。木材から石炭と同じ硬さ、同じ炭素密度のエネルギーを作る。この技術が開発されました。

バイオコークス
これ何かというと、エネルギーだけではなくてですね、これあの製鉄所で使えるんですよ。そして何が良いかというとですね、燃やしてもCO2排出実質0なんですよ。ですから、地下から掘った石炭を燃やすと大気中にCO2が増えますけど、もともと大気中のCO2を光合成で固めた木。これがいくら燃やしても大気中のCO2は増えないということで、これ国際ルールになっています。そうするとですね、これがどれぐらい効果があるかというとですね、全部切るんじゃないです。50年サイクルで回したとしてもですね、どれくらいの量が出てくるかというと、950万世帯分です。ざっくり言うと、岐阜県と東京都を合わせた世帯よりももうちょっと多いです。今度、香川県でやりましょうかね。で、どれだけ言ってもですね、賄えるんですよ。だから本当にこの山の木を生かすことによってですね、この国自体が大きく変わっていく。
で、本当かと言われそうなので、昨年1年間岐阜県でやってみました。実際にですね、ボイラーに入れて、こうした重油の代わりになることも実証しました。さらには産業用まさにキュポラ。これ何かっていうと普通の木じゃダメなんです。鉄鉱石、石炭、鉄鉱石、石炭と一緒で、相乗にして1000度で溶かしていきますけど、普通の木は間に合わないと一瞬にして燃えてしまうんです。だからそれぐらい硬いものじゃなきゃいけないんですけど、ついに石炭の代わりになるということも昨年証明しました。さらにはですね、じゃあ一般のエネルギーとしてももちろん使えます。さらにはですね、お隣白川村、これは村のことですね。すみません。まさに合掌造りの茅。これもみ殻なんですけど、これをエネルギーに変えられる。究極のSDGsができることも昨年証明しました。

燃焼時のCO2排出は実質ゼロ!
なので、これをまさにですね、国の戦略にしていただきたいということでですね、林野庁さんに皆さんと話をしていますけど、今これはですね、0.4万トンしかありません。これを1,000万トンまでに増やしたいというところ。ですから、製造能力の拡大ってですね、原材料の鍵です。今50台しかないものをですね、2万7400台。これは資源エネルギー庁長官にもですね、これ陳情してきました。さらにはですね、やっぱり山から下ろしないと意味がないです。ですから、山に生えてるよねってことは答えにならない。で、しっかりですね、木材を出していただくことによって、木くずを出しただけでもですね、1,700万トン。実はポテンシャルがあるということです。ですから、いろんなものをですね、組み合わせることによって、まさに国家戦略としてやっていく。今ちょっと地図にあるような、これぐらいしかないんですけど、これをですね、各地の製造クラスターを作っていこうじゃないか。そして多くの方に参画していただくことによってですね、まさにこの国は変わるし、そしてまだまだちょっと高いです。これをですね、安くする努力もしますし、あとはJクレジット、まさに環境問題をですね、クレジットにすることによって非常に大きなポテンシャルがあるということです。

製造能力の拡大
そしてもう一つ、これがですね、なかなか語られない。実際に山を持ってみるとわかるんですけど、最大の問題は誰が持ってるかわからないと。岐阜はですね81パーセントが山です。半分以上が民有林ですけど、そのうち所有者と境がわかったのは23パーセントしかありません。すると何が起こるかというとですね、実は道が作れないんです。だからどんなにですね、いい材があってもですね、下ろしてあげなければ意味がないんです。実は、まあ特に岐阜県そうなんですけど、本当にブツブツブツブツブツブツ持ってるんですよ。ですから、私の家の山がわかっても、周りがわからないとそもそもそこにたどり着けない。これが日本中で起きています。ですから、政策として先ほどお話ありましたけれども、なんとかこれをですね、まとめられないか。これ今林野庁さんがですね、一度管理権まではいきましたけど、でもその前にですね、誰が持ってるか全部探せっていう風になります。大変ですよ。これ2代超えたら関係者100人ですから。先日頼まれてですね、別れた亭主の同意書を取りに行ってきました。本当に冗談だと思えないことをやらなきゃいけませんし。実は法務省さんとですね、ご英断をいただいたようですが、来年の4月から相続登記をしてない方は10万円の過料がかかります。バッチリですね。だから偉いことだけど、誰が持ったか全然わかんないんですよ。

「所有者不明山林」問題
これを解決することができたらですね、まさに大きな道路を作ります。今は作業道といって、わかってる人のところだけ道を作るからですね。何が起こるかというと、大雨が降ると道が崩れてもう入れません。ですから、本当に大きく道を作ることによって、10トントラックが入れる。それによって人の関わりを作ることによって、ですね、動物の方々にもですね、ここは人が来るとこですよというのをですね、知っていただきたいと思ってます。ですから、まさに自立国産エネルギーというですね、国家戦略として3つの柱ですね。まずはそうしたですね、パートナーの整備、それから需要の拡大、さらにはですね、現在の所有者、これは法律体制についても言ってますけども、林野庁さんと今話をしていましてですね、できればできればまさに岐阜県からトップでですね、いて、まさに日本版ナショナルトラストを作りたいなと。みんなで管理する山に変えることによってですね、自然が変わっていく。そうすると山の話をします。先ほど井上さんありました。実は岐阜県水力発電のポテンシャルです。全国で1なんです。ただ、問題は何かというとですね、これがちゃんと安定して水が出てくるべきなんです。今は来る時だけ来るし、そうでない時はこれでは水力発電にならないです。やっぱり山をですね、しっかり手入れすることによって、水も安定していくことになります。
最後に私もですね、山仕事をやっていました。枝打ちしたりを自分でやった最後になると思いますけど、子供の頃にですね、おじいさんたちと一緒に山の木を切るでしょ。その時に今切っている木は、あんたが顔も見たことのないご先祖様の植えてくれた木をあなたは切らせてもらってるんだよ。その代わりに植える木は、多分あなたが顔を見ることもないであろう子孫のために植えていくんだと。そうやって山は守られるんだと、言って、私も子供の頃から育ってきました。まさにそのことをですね、今我々が燃え起こして、次の世代のためにしっかりと豊かな山を残していく。そんなことができるんじゃないかということを申し上げて、私からの話をさせています。

小水力発電の安定化に向けて
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