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山の日レポート

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通信員レポート

「山の恵みの映画たち2024」開催レポート②

2024.12.02

全国山の日協議会

11/22~24開催したミニ映画祭「山の恵みの映画たち2024」の中で、各作品の上映がどのように行われたかについて、上映を担当した実行委員からご報告します。※担当原文引用

『ある一生』

 映画館フォーラム山形さんとのコラボ企画『ある一生』は本開催を含めて1週間上映を行い、11/28で最終日を迎えた。
 「山と人、そこで暮らすこと、生きること」 
まさしくサブタイトルそのものの本作、連日多くの方々にご覧いただいた。

 なんと言ってもドイツ=オーストラリアアルプス、その山々の美しさに目を瞠る。しかし、その土地で暮らすことは決して容易ではない。作中の少年は里親からの迫害など数々の試練に晒される。過酷な環境にありながら、いいや、だからこそ彼を愛する人々との出会いは唯一無二だった。

 初めてこの映画を観た後、しばら心奪われ呆然としてしまった。つい思い返してしまう。自分は、エッガーのように真摯に生きることに向き合っているだろうか。愛する人にきちんと想いを伝えただろうか、それを疎かにしてはいないか。多くのことを深く見つめ直すきっかけをくれた。
 また、初見後すぐさま本も読んだ。映像化されたことの幻滅は微塵も感じない、製作陣の原作に対する配慮と尊敬が感じられる。本を読み返すことによって脚本の素晴らしさを再認識出来る相乗効果だ。本から、映画から、それぞれに味わい深い2つの芸術。出会えたことの幸せを強く感じる作品だ。

 感想も多く寄せられている↓
「不条理が続く人生を、不幸ととるか、受け入れるかで、生き方変わるよね、と思いました。いくら辛くても、絶対泣き叫んだりしないエッガーに、とても共感できました。」(高橋)

『銀嶺の果て』

 改めて「映画の力は凄い」と実感した。公開から77年経ち、製作に関わったスタッフ、キャストはおそらく殆どお亡くなりになっている。それでもこの映画は上映される度に缶(フィルムなので)から出て、見る人を魅了する。まるで亡霊のよう。三船の怒り狂った顔、志村の穏やかながら芯のある風情、抑揚に満ちた黒澤の脚本・・・戦争によって抑えられていた表現が一気に溢れ出たようだ。
多くの皆さんに、この映画の存在を知っていただいただけでも冥利に尽きる。(浦山)

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