山の日レポート
通信員レポート
「たまには山へ恩返しinトムラウシ:2023.9.16~18」に参加して
2024.05.22
大雪山系のトムラウシ山は、登山者に大変人気があり、その登山道は木道や階段がよく整備されていますが、人が歩くことによる踏圧が原因で土が流されドロドロになってしまっている場所やすでに泥が無くなり岩盤が出てきてしまっている場所があります。
「一般社団法人 大雪山・山守隊」では、上士幌自然保護官事務所から「植物が育つために必要な土がこれ以上無くなってしまうことを防ぐ為、小規模木道を設置する作業」の発注を受け、広くボランティアをつのり、昨年秋の作業では、一本4㎏の角材300本を上げ、200mにおよぶ木道を設置したとのことです。
登山道整備については、全国的に問題となっていますが。「大雪山・山守隊」の呼びかけに応じて、地元の新得山岳会の皆さんも参加(延べ7名)したとのことです。会長の樋口信司さんから投稿がありましたので、当日の様子を披露させて戴きます。
この木道設置が必要な場所は25年前まではただのササ原でした。
刈り払いをして道が切り替わり、たったの10年程度で道がドロドロに、土壌が流れ写真のような溝となりました。
元の地形には戻すことはできないものの、今も崩れ続けている土壌を止めて、溜まった土壌に植物が育ち、
水が流れても崩れない場所にするため木道を設置しています。
一本あたり4キロの木道用木材と工具等を参加者で手分けして運びます。
総量300本(1.2㌧)と工具等です。
岡崎代表理事の挨拶(いつまでも聞いていたいほど関心のある話)。
いよいよ作業開始です。
私は16~17日の2日間の参加でしたが天気にも恵まれ、荷上げの大変さとみんなで木道作りをする楽しさを知ることになりました。
私は、初日木材5本半とザックを合わせて背負子に積むと36㎏、整備する現場まで8kmほど登りました。
ザックの全重量は36キロあまり、後半は肩に食い込む背負子の痛さと重さをきつく感じました。(翌日は4本に)
参加者の皆さんも強者揃いで、8本背負って登る方が何名も・・・
スタッフの方は10本プラス工具類や自分の荷物等で、その怪力ぶりには驚かされました。特に女性スタッフの方で、8本の角材を背負った上、軽快なフットワークで活動の様子を撮影する姿、もう神様のようでした。
現場に到着して角材の重さからやっと解放され、各班に分かれて木道を組み立てるのですが、これがまた笑いに満ちた楽しい作業になりました。
木道を地形に合わせて設置するのですが、これは近自然工法といい歩きやすくすることは勿論なのですが、登山者によって崩壊した地形を元の姿に回復させることを考慮した非常に重要な意味があるもので、直に学ぶ大切な機会になりました。
角材から作成した木道の設置状態です。
新得山岳会としてもトムラウシ山を整備していく上でのスタンダードとし、今後の登山道整備の方向性を確信できました。
作業を終え、下山の際振り返ると、十勝連峰そして足元には木道が・・・
(以下PDF参照)
下山後は東大雪荘の温泉で寛ぎ、その後トムラ交流館でバーベキューで歓談。
これがまた陽気な参加者の皆さんの話に腹を抱えて笑いっ放し状態。
コテージで宿泊しましたが、スタッフの方々の心遣いには驚かされるばかりでした。
細かい所にも気を配られるスタッフの優しさにも山守隊ファンが増えていくことでしょう。
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