山の日レポート
通信員レポート
「コーカサスの桜プロジェクト」
2024.04.11
縁あって、ジョージア(旧名グルジア)のコーカサス山麓の町メスティアに、日本の桜を植えて、日本とジョージアとの人と文化の交流を図ろうというプロジェクトを始めました。
2025年には日本山岳会創立120周年を迎えますのでその記念事業としての位置づけでもあります。
日本山岳会会員だけでなく会員以外の山と歴史に興味のある多数の方の参加を予定して、2025年5月に桜の植樹を行う観光ツアーを企画する予定です。
3月23日から4月2日まで、3人でジョージアに、来年の桜の植樹の準備に行ってまいりました。
ジョージアから帰国して一週間がたち、やっと落ち着きましたので、旅行の報告をいたします。
旅行の目的であった、首都トビリシの国立植物園への訪問と一年間の苗木の育成の依頼、コーカサスの山麓の街、メスティア訪問と来年春の桜の苗木の植栽地の調査は、予定どおり行えることができました。
苗木の植栽地の候補地には、メスティア市長自ら案内していただき、私たちの訪問を大歓迎していただけました。
桜の苗木のジョージアへの搬送には、後述するトラブルもあったのですが、結果としてすべて達成できました。
さらに、トビリシ技術大学の山岳観光学部の先生方との面会や、登山家との交流、ワイナリー訪問なども行えました。
これらは、ジョージア駐在のJICA支所長の支援と海外青年協力隊の山下真生氏の同行による協力があって、できたことです。
桜の苗木の搬入に関しては、当初は、私たちのジョージア滞在中に届く予定でしたが、空輸スケジュールが大幅に遅れ、私たちが帰国後の4月2日にトビリシ空港に到着し、植物検疫後の3日に受取りと言うことになって困りました。
やむを得ずJICAと山下真生氏に3日の受け取りと国立植物園への搬送を委託して、後ろ髪の引かれる思いで帰国しました。
私たちの滞在中から、メスティア市も、通関手続きや、受け取り代理人の変更手続きなどに協力してくれましたが、この間、なによりも心配だったのは、土のない苗木の状態で10日間も置かれて苗木が痛むことがないかでした。
しかし、4月3日夕刻に、山下真生氏によって、トビリシ空港で受取り、国立植物園に搬送して、直ちにポッドに植え替えられた10本の苗木は元気であると報告を受けほっとしたところです。
これから来年の植樹まで国立植物園で大事に預かってもらいます。
これは、植樹するメスティアは山麓の寒冷地であるため、苗木の生育を保護するために国立植物園に依頼して、快く引き受けてもらえました。
来年の桜の植樹は、メスティア市のアドバイスに従って、5月後半に行うことにしたいと考えます。
当地は、5月前半まで雨季であり、植物が芽吹くのは5月半ばからということでした。
こうして準備は整いつつありますので、来年の5月には、日本山岳会会員と一般の方々との多数でジョージア観光と桜の植樹に行く旅行を企画します。
また、地元登山者とのルートもできましたので、是非、コーカサスの山への登山隊も派遣したいと思います。
今回の旅行で現地参加で支援をいただいた海外青年協力隊の山下真生さんは、大分県で行われた第5回「山の日」記念全国大会に、日田市から参加されていた方です。
私は全国山の日協議会の理事をしていますので「山の日」のつながりで、コンタクトを取るようになりました。
「山の日」のタオルを持参してくれていたので、シハラ峰(5040m)をバックに写真をとりました。
報告 日本山岳会「コーカサスの桜プロジェクト」 吉川正幸
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