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山の日レポート

山の日レポート

山の日インタビュー

連載⑩ 東奔西走 ダルマ・ラマ 富山からネパールと日本、世界をつなぐ

2024.01.16

全国山の日協議会

第10回 双方向的な文化交流を目指して Nepal Japan Cultural Exchange Association

鹿野  「では、ネパールとの文化交流に話を移しましょうか。富山ネパール文化交流協会は、もともとは2015年のネパールでの大地震を支援する際に、ダルマさんが中心になって立ち上げた組織ですよね」
ダルマ 「はい。で、その支援が終わった後は、もっと日常的に、富山県民と富山県内にいるネパール人との交流を日常的にして、相互理解を進められたらいいなと思って、活動を続けてきました」
鹿野  「具体的にはどんなことをしてきたか、紹介してもらえますか」
ダルマ 「富山の協会の会員は、ネパールに関心のある日本の方と、県内に住んでいるネパール人で、ふだんは月1回、ネパール人が日本の方に、自分の得意な分野でネパール文化の紹介をするような談話会をしたり、小中学校なんかに呼ばれてネパールの紹介をしたりしています。あと年3回、ネパールの大きなお祭りの時期、秋のダサイン、2月ごろのロンサール、それに7月ごろかな、会員の親睦を目的に交流会をしたり、といったことですね。
大きなイベントとしては、6年前にネパールから伝統舞踊のチームを招いて県内何か所かで公演をしました。そのほかにもネパールから政治家の視察団が来たときに交流会をしたり、日本からネパールに視察団を送り出したり、それなりにいろいろやってきました。
富山県内には自治体レベルでネパールの町と姉妹都市関係にあるところとか、企業でもネパールといろんな提携関係を持っているところもあるから、そういうところとも協力しています」

富山ネパール文化交流協会の会合の参加者 日本人にもサリー姿で参加する人がいる

同上 ネパール側の参加者にとっては、会合は民族衣装を着る貴重な機会だ

鹿野  「そうか、あの地震からだったらまだ10年足らずだけど、それだけの持続的な活動実績があるわけだ。実は20年くらい前に、石川県にも石川ネパール交流協会だったかな、そういう名前の組織ができたけれど、中心となって活動してた人が亡くなったりして、いつの間にか消滅してしまった。
いまは日本中どこでもネパール人が増えて、十数万人を超えたというから、そういう交流組織の役割は大事になってきているし、組織もあちこちでそれなりにできるんだけど、実態は、なかなか持続的な活動ができないみたいですね」
ダルマ 「そうみたいですね。富山の場合は、かつて青年海外協力隊で派遣されていた方なんかがボランティアで動いてくださってるから、うまくいってるのかな」
鹿野  「はたから見ていると、日本人とネパール人のつながりのところにダルマさんがいるので、うまく続いているのかなと思うけれど。で、そのカウンターパートみたいなかたちでNepal Japan Cultural Exchange Association があるわけですね」
ダルマ 「はい。ネパール側は一応国レベルの組織だから、ほんとならカウンターパートも日本全体をカバーする組織がいいんだろうし、そういう組織もあるらしいけれど、ただそこはネパールとの直接の具体的な交流はないみたいで、実質的には富山の私たちの協会が、ネパール全体の協会のカウンターパートになってます。
ネパール側の会の会長は首都圏であるバグマティ州の大臣で、会員には大学の先生なんかも何人かいる。
今回は一緒に行った日本人の人たちとカトマンズで交流会をやって、ネパール側からは会長はじめ数十人が参加しました。ほんとはカトマンズに住んでいる日本人にも参加してほしかったんだけど、ちょっと準備不足で、そこまで手が回らなかったのは反省点ですね」

今回のネパール訪問を機会に、カトマンズで開催されたNepal Japan Cultural Exchange Associationの参加者

鹿野  「たしかに文化交流っていうなら、ほんとうなら双方向性がないといけない」
ダルマ 「はい。ネパール側の会員には、一般的な日本の文化への興味だけではなく、日本とネパールのこれまでの関係がどんなもので、これからはどうなっていったらいいか、いま日本で暮らしているネパール人はどんな問題を抱えているか、それを解決するには何が必要かといったことについて関心を持っている人も少なくない。
でもそういうことについての具体的な情報は、まだ充分に伝わっていない。在ネパール日本大使館の活動なんかも、どうしても日本の伝統文化の紹介とか、そういうことに偏っていますよね。それはそれでいいんだけれど、私たちみたいな民間の交流は、たとえば在日ネパール人の生活の実態にも目を向けないといけないんじゃないかって思うんです。
一方で一般のネパール人の間には、日本に行けばお金が稼げる、みたいな話だけがやたらと拡がっていて、在日ネパール人の日本での生活や問題点については、情報が不足しているところがあります。地道な交流を通じて、お互いが相手の国の実情を正確に知ることを促進する必要があるんじゃないかって思うんです」
鹿野  「そうか。それで、三番目のテーマに話が移るわけですね」
ダルマ 「はい、そうなんです」
※写真はいずれもダルマさん提供

(聞き取りは2023年11月29日、葉っぴーファームにて、構成 鹿野勝彦)

(次回は2月1日掲載)

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