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山の日レポート

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通信員レポート

たかはら里山の集い2023 開催

2023.11.20

全国山の日協議会

〜将来こうあって欲しい 里山のくらしと自然〜

こんなサブタイトルがついた「たかはら里山の集い」が、
11月19日、栃木県塩谷町のロペ倶楽部で開催されました。

前日には塩谷町役場(新庁舎)で「包括連携協定」が結ばれ、
まずはその報告。
そして
講演1「私たちの暮らしを里山に近づけよう」、
講演2「森林資源調査による小規模バイオマス発電プロジェクトの可能性」のふたつの講演、
さらに、薪割り体験、里山らしいランチが振る舞われ、
秋の里山を満喫するにぎやかなイベントとなりました。

「地域共働事業に関する包括連携協定」についての報告

くまの木里山応援団 団長 市川貴大さんから、
11月18日に塩谷町、ロペ倶楽部、くまの日里山応援団、および矢板市の間で結ばれた「地域共働事業に関する包括連携協定」についての報告がありました。

これは、塩谷町、ロペ倶楽部、くまの日里山応援団の3者で2021年4月に締結された包括連携協定に、このたび新たに矢板市が加わることとなり、
災害発生時や地域の安全確保、地域づくり、資源保全と利活用、不法投棄防止と景観美化と獣害被害の軽減等について、これら4者が共働し連携し、定期的に協議していこうというものです。

さらに、ソーラーパネルによる発電ではなく、ロペ倶楽部の里山林で完結する「小規模バイオマス発電」の導入、さらに里山林の循環利用による持続可能なシステムの構築(里山で暮らせる人材の確保)、こうした小規模バイオマス発電を核とした高原山麓での環境保全・再生活動を持続的に展開していくことなどが報告されました。

講演1 「私たちの暮らしを里山に近づけよう」

続いて、講演が2つありました。

ひとつは、
NPO法人よこはま里山研究所の松村正治理事長による、
「私たちの暮らしを里山に近づけよう」
です。
松村さんからは、
・NPO法人の活動内容の紹介
・里山の恵みと暮らしを、
ヤマ、ノラ、ムラ、ハレ、イキモノの5つのワードで整理し、
市民参加型の自治的な里山社会の構造の説明、
さらにエネルギー革命による里山文化、植生推移による里山の破壊(量の減少)、管理放棄(質の劣化)の状況から、
健全な里山の効用としての生物多様性がいかに危機的であり、それを解決するための試みとしての「指標」「手法」「体制」についての研究が紹介されました。

都市のライフスタイルに自然のリズムや循環の仕組みを取り入れると、世界の見え方が変わり、私たち人間の「社会」よりも、人と自然も含めた「世界」のほうが遥かに広くて大きいことがわかりますね。

講演2 「森林資源調査による小規模バイオマス発電事業の可能性」

つづいて、東急不動産株式会社都市計画ユニットの高田秀之さんからは、
小規模バイオマス発電事業のシミュレーション、発電燃料となる森林資源の推計、木質チップのコスト検証についての講演がありました。

不動産の有効活用はそのノウハウ自体が不動産業者の主力商品の構築に欠かすことのできない事業であり、その観点からの企業としての森林資源を原資とするバイオマス発電事業の収支シミュレーションのアプローチは、大変興味深いものでした。

要約すると、単位あたりの果実(収益)の極大化を目指す手法をもってして森林での自己完結型の発電事業を検討した事例報告であり、
その考え方自体は、他の公共財、特に変数の多い、中山間域での様々なプロジェクトにおいても、その収益性の目処、事業決定のプロセスへの応用が期待できる検討手法に思えました。

激辛唐辛子の説明をする市川さん

果樹を材料とした食器の説明もありました

豪華な里山ランチ

スタッフのみなさんが準備してくださったランチ!

最小のCO2排出量で最大の熱量を生み出す特製ストーブで作った、炊き込みご飯、けんちん汁、やきいも。
そしてスタッフの方の自家製の漬物(白菜、大根、みょうが、しいたけ、菜の花、ふきなど)、特産のゆずで仕込んだゆず味噌を乗せた大根、
どれも秋の実りを感じる美味しさでした!!

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