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「健やか樹海ウォーク」(9/4開催)加賀谷はつみさんインタビュー

2023.09.15

山の日アンバサダー
シンガーソングハイカー
加賀谷はつみ

先日、富士北麓の青木ヶ原樹海で開催された「健やか樹海ウォーク」。このイベントにゲスト参加された加賀谷はつみさんに、初めての樹海歩きで感じたこと、最近の山歩きについてうかがいました。

話し手:加賀谷はつみさん(シンガーソングハイカー、山の日アンバサダー)
聞き手:全国山の日協議会

「木の高さが低いので、空も近くて」

---樹海は初めてと伺いました。来るまではどんなイメージでしたか?

樹海のイメージは、あんまりいうと良くないのかしれないですけど…やっぱり「ちょっと怖い」のと、「入ってはいけない森」みたいな印象がありました。
近くの竜ヶ岳(ダイヤモンド富士で有名)には来たことがあり、そこから眺めたことはあったのですが、樹海の中にトレイルがあり歩けるとは思っていませんでした。

富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海(精進湖パノラマ台より)

---樹海の森を歩いてみて、その印象は変わりましたか?

今回このイベントで樹海に来て、「素敵な森歩きが楽しめるところ」だと思いました。危ないところも全然ないですし、それこそ迷うようなところもない感じでした。
特に今日歩いたところは、森の中も明るくて、風通しもよくて。木の高さが低いので、空も近くて鬱蒼とした感じも全然なかったです。
もし来年も参加できるなら、今回感じた明るいイメージで発信して一度はみんなに歩いていただきたいと思いました。

「木漏れ日を見てほしいですね」

---これを見てもらいたい!と思う景色はありましたか?

木漏れ日を見てほしいですね。私、木漏れ日好きなんです。
今日は樹海の中にずっと日が差してくれている感じでした。その木漏れ日の中で森歩きができて「いいなぁ~」と思いました。
そして今回は会えなかったけれどニホンリスがいるらしく、そういう動物にも次回は会いたいと思いました。

意外なほど明るい、樹海の森

「あー風が気持ちいい、それだけで十分」

---プライベートではお子さんを出産されています。最近はどんなふうに山や自然を楽しんでいますか?

子供はまだ2歳なので、はじめは背負子(しょいこ)を友達に借りて山に行こう!と思ってました。でも考えてみると、山まで行く前に電車でもずっと背負子は無理だなと(苦笑)。なので背負子はあきらめ、歩ける年齢まで待とう、と思っています。
でもなんとなく、来年くらいがデビューかな、と思っていて。私は筑波山に3歳で登ったと両親が教えてくれたので、我が子も行けるかな!?なんて夢見ています(笑)。

私自身は、最近では実家の母に子供を預けて、今年の6月に友達と久しぶりに筑波山に登ってきました。


---山に行くまでのステップとして、お子さんの体力づくりは?

うちの子は、公園やジャングルジム、家でもひたすら動き回っていて(笑)。
けっこう体幹もしっかりしているのか、坂道も走って行ったり、不安定なところもバランスよく立てたり、体力的には山に行くのも大丈夫かと思っています。
最近、旅行で河口湖に行ったとき、近くの八木崎公園(河口湖南岸。広い芝生広場がある)に立ち寄りました。たまたま見つけて行ってみたら、地元の人しか知らない感じで、観光客も少なくて。本当に大きな芝生広場に大はしゃぎで走り回っていました。


---出産の前と後で、山や自然に対する気持ちや見方は変わりましたか?

以前はピークハントというか、「山頂を目指す登山」が私の中では好きでした。
今は、山の麓で森林浴とかハイキングに行くのもあり、だと思うようになりました。この前のFoxfireさん主催のイベントでは、林業や自然環境のことを学ぶ機会があり、今の自然を子供のために残すには何が必要なんだろうと考えるようにもなりました。
あとは山のゴミのこと。もともと気にはなっていましたが、今後は清掃登山みたいなこともやってみようと思うようになりました。

ピークハントが好きだった頃は「ちょっときついことが楽しい」みたいに思っていましたが、今は「きつくなくて全然いい(笑)」。今日もそうですが、「あー風が気持ちいい」それだけで十分だよなと。

樹海の深部、大室山のブナ。今回は訪れなかったが、樹海の中には明るい広葉樹の森も。

「本物を見に行こう」

---お子さんに見せたい景色はどこですか?

実は、テント泊で涸沢に行くのが目標なんです。
親子で入れるテントで、私が涸沢で見た星や穂高連峰を見せてあげたいですし、あのカールに包まれる時間を味わせてあげたいなと思っています。
私自身もあの場所で、あの景色を見てすごく人生が豊かになったなと思っているので、達成感も含めて自然の美しさを見せてあげられたらいいなあと思っています。

樹海は苔の宝庫でもある。専門家によれば、その種類の多さは八ヶ岳にも劣らないとか

---加賀谷さん自身は、涸沢でどう感じられたんですか?
涸沢で星を見てからは、プラネタリウムに行かなくなりました(笑)。
もともとプラネタリウムは好きだったんですけど、山で見た星に感動してからは、本物を見に行こうと思うようになりました。

それから、山に登れる精神力は絶対に何にでも役にたつと思いました。我慢や自分を鼓舞するとかいろんなものが詰まっていて、その先にちゃんとご褒美として良い景色に出逢わせてくれる。私も幼少の頃にもっとそういう経験をしたかったなあって思いました。

涸沢は、子供が小学生になったらいけるかな…。燕岳とかもいいんですけど、テントを張って素敵な景色を雰囲気のなかでゆっくり過ごす。涸沢でテント泊の良さを感じてもらいたいなって思います。(おわり)

樹海ウォークのスタート前には青空ライブも

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