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山の日コラム

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通信員コラム

ひっそり佇む歴史ある山「頭殿山」

2023.06.15

山の日通信員
FB 「低山をのんびり愉しむ」管理チーム
池田郁太郎

山形県朝日町と白鷹町の境界にある『頭殿山(とうどのさん)』(やまがた百名山・1203m)は朝日連峰の東側に位置する山です。
ものの本によると、その昔、朝日鉱泉を経て朝日岳に登るには白鷹町から頭殿山を越えて行くのがメインのルート(深田久弥も歩いた道です)だったとか。さらに出羽三山へ詣でる人々にとっても重要なルートになっていました。それが、戦後、モータリゼーションの波が到来し、朝日町から朝日鉱泉まで車も通れる林道が切り開かれてからは、この頭殿山を通る登山道を使う人もいなくなり、いつしか荒れた杣道になってしまいました。
ところが近年、山形百名山の一つに選定され、有志の手によって登山道も整備されたと聞き、一昨年の秋に朝日鉱泉側から初めて訪れたのですが、そこですっかりファンになってしまった山です。
次はグリーンシーズンに歩いてみたいと思っておりましたが、先月末に朝日鉱泉までの林道がようやく冬の通行止め解除になりましたので早速行ってきました。

頭殿山への登山口

深山幽谷の趣き

登山道に一歩足を踏み入れると、さすが朝日連峰の眼の前に位置する山だけあって、低山でありながら懐の深い深山幽谷の雰囲気があります。


登山道には昔の人が刻んだであろうナタ目も何箇所かあって道の古さ・歴史を感じさせてくれます。


山頂に至る尾根筋にあがるとブナの若木の清々しくも力強い林が広がり目を楽しませてくれます。

山頂から見える風景は圧巻

山頂に立てば大朝日岳を始めとする朝日連峰の名だたる山々の雄大な姿が目の前に広がり、東側に目を転ずればはるか向こうに蔵王を始めとする奥羽山脈の景色を満喫することができます。こんな素晴らしい山なのに登る人が少ないのはちょっと残念なことですね。

山頂からは大朝日岳・小朝日岳をはじめ朝日連峰の山々が一望できる

ブナの巨木の中には形の変わったものも多い

アクセス

朝日鉱泉側からの登山口は朝日鉱泉の手前にありますが、現在、朝日鉱泉の600mほど手前で橋の工事のために通行止めです。橋の手前に駐車スペースがありますが、休日前後は朝日連峰へ登る人たちで混雑するのできちんと詰めて駐車する必要があります。
特に現時点では朝日連峰へ登るもう一つの登山口である古寺鉱泉口が古寺山へ至る登山道の橋崩壊で通行不能ですので、こちらが普段以上に混む可能性があります。

この先200mほど行くと頭殿山への登山口があります

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