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大山登山レポート

2023.04.01

山の日アンバサダー
三菱商事株式会社所属 プロスポーツ選手
高橋 勇市

私の悪い夢

山行日 2022年12月11日 日曜日 晴れ
大山(神奈川県) 標高1252メートル
体力度 2
蓑毛コース(裏参道コース)


私は今、大山の岩肌を仲間と一緒に登っています。
疲れもあってか集中力が低下してガイドの指示が良く聞こえません。
いきなり、後ろから二階堂さんの「高橋君、危ないぞ」の叫び声が聞こえました。
その瞬間、私は足を踏み外し岩山を転げ落ちていました。
激痛に気を失い気が付いたときは、ベッドの上でした。しかも自宅でした。
私は悪い夢を見ていた様です。 冷や汗と寝汗でベッドがびしょ濡れです。
隣では妻が気持ちよさそうな寝息をたてています。
私は起き上がり本日登山予定の「大山」の準備に取りかかりました。

8時32分、登山口を出発

準備が整い出発、電車を乗り継ぎ小田急線秦野駅へ向かいました。
待ち合わせ時間は7時50分、人数は8人です。
点呼を取る程の人数では無いのですが数えてみると 一人足りません。エミちゃんです。
なんと、既にエミちゃんはバス停でバスを待っていました。
秦野駅前8時丁度発のバスに乗車して蓑毛バス停にて下車、登山口へと向かいました。
(登山口と言ってもバス停を降りたところが登山口です)。

登山口には水洗トイレがありますが、この先山頂まではトイレが無いことを竹本さんに教わります。
トイレ情報は貴重です。
二階堂さんからは「高橋君、大山を侮ってはいけないぞ!!」とのアドバイスをいただきました。
二階堂夫婦と一緒に登山するのは2010年の富士登山以来、実に13年ぶりです。
無事に8人で登山できる様祈念して記念撮影。
8時32分、登山口を出発しました。

無事に8人で登山できる様祈念して記念撮影

大道芸人は山にもいる⁈

大山と言えば名物の大山豆腐が有名なのですが、今だ食べた事がありません。
硬い豆腐だとは聞いていますが、大山豆腐の角に頭をぶっつけてしまったらどうなるのだろうか、
過去にケガをした人はいるのだろうか、それとも死んでしまった人がいるのだろうか、
あれこれ空想しながら山道を登っています。

山道は土道から徐々に木の根が張った山道へと変化しました。
これが蓑毛と呼ばれているルートの様です。
岩山道へと山道が険しくなって行きました。
二階堂さんが「あの人すごい、子供を肩車して登っている」と言いました。
大道芸人は駅前にいるわけではないのですね。山にもいるのですね。
足を滑らせたりはしないのでしょうか。
大道芸人は木から落ちないのでしょうか。蛭みたいに。

蓑毛ルートと呼ばれている険しい山道

大山を侮ってはいけない

蓑毛越えに到着(11時)。
表参道コースから登山して来た登山客と合流するので沢山の登山客で辺りは賑わっています。
山頂に到着したのではないかと勘違いしてしまうほどの賑わいです。
軽食を補給して山頂を目指します。

岩山は更に傾斜がきつくなりました。
二階堂さんが告げた「大山を侮ってはいけないぞ」の意味が今はっきりと理解できます。
早朝見た夢を思いだし正夢にならない様丁寧にそして慎重に登ることを心がけました。
つぎからつぎと登山客にどんどん抜かれてしまいます。
岩山は、富士山を登っているのと変わらない感覚です。
登ることに余りにも集中していたため途中で証拠写真を撮ることを忘れていました。
「山のポーズ」の竹本師匠の掛け声でハイチーズ!!

「山のポーズ」でハイチーズ!!

12時08分、念願の大山山頂制覇

4つんばいで登る箇所も多く疲労もピークに達しています。
慣れないことを長時間続けているので腰が痛くて痛くてたまりません。
「山頂が見えてるよ」の紀ちゃんの声で気を取り直して山頂へ向かいます。
12時08分、念願の大山山頂制覇。
見晴らし台にて「ヤマスタ」のアプリを立ち上げてチェックイン。
素敵なスタンプをゲットできました。
二階堂さんと須尭(すぎょう)さんがリュックからガスバーナと鍋を取り出してお湯作りして下さったので
熱熱のカップ麺をみんなでいただくことができました。

大山山頂

ゆっくり下山

休憩も終わり13時15分、山頂を出発。
師匠が「ここからは下り階段が続くのでゆっくり下山しましょう。」と言い、
二階堂さんが、「高橋君、階段が急なので踏み外すと転げ落ちるぞ気を付けろ」と言いましたが、
それを聞いて私は、新選組の池田屋事件の階段落ちのシーンを思い浮かべてしまいました。
映画「蒲田行進曲」の階段落ちのシーンがはっきりと思い出され、あれは確かに痛い、
ああなったら困る、JROにも入会していないので救助を頼んだらいくらかかるのだろうか。
下る足の運びが更に遅くなります。

嘉子が急に立ち止まり無言のまま全く動きません。
どうやって降りたらいいのか考え込んでいるのでしょうか。
突然妻が「可愛い」と呟きました。
「あのワンちゃん可愛い、抱きしめたくなるほど可愛い」と言いました。
ワンちゃんに見とれていて固まっていたことを知りましたが、
大山はワンちゃんと一緒の登山は許されているのですね。
富士山は確かワンちゃんと一緒の登山は禁止されていると言うことを聞いたことがあります。
登山中にワンちゃんのお腹を岩にこすりつけてケガをしたとか、岩の隙間に足が入り骨折したとかで
毎年事故が絶えないと言った話をラジオできいたことがあります。
大山は富士山と同じような岩山なのでワンちゃんは大丈夫なのか心配です。

途中何度も立ち止まり登山客を先に通しては階段を下りを繰り返しているうちに
再び歩き始めると膝が笑いそうになります。

下り階段が続く ゆっくり下山

16時、ケーブル乗り場に到着

日向は暖かいのですが、日蔭は寒く体温調整が難しいです。
鎖場では、座った状態でお尻をズリズリ動かしながら足の着地点を探りながら下りて行きます。
紀ちゃんが「神社が見えるよもう少しだよ」と言うのですが、スタートしてから既に7時間が経過しているので
体力よりも神経が疲れて思考力が限界を迎えています。
山道は大岩から小岩の路面へと変わり神社近くになると2人で並んで歩けるほどの道幅になりました。
神社に到着した頃には両膝が笑って無事下山できたことを祝福してくれました。
阿夫利神社にて「ヤマスタ」のアプリを立ち上げてチェックイン。
素敵なスタンプを、またまたゲットできました。

16時、ケーブル乗り場に到着。
7時間の山行で疲労困憊、体が泡の出る物を求めています。
「伊勢原駅までは我慢しよう」と自分に言い聞かせて伊勢原駅に向かいましたが、
我慢しきれずにフライングした人もいましたね(笑い)。
師走のお忙しい中、登山に付き合って下さり有難うございました。
仲間のありがたさを実感しました。

写真撮影・提供 竹本さん
文提供 高橋勇市

阿夫利神社到着 無事下山

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