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山の日レポート

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通信員レポート

県立赤城公園の活性化に向けた基本構想案について

2022.03.28

全国山の日協議会

赤城山

日本山岳会群馬支部 支部長の根井様より投稿をいただきましたのでご紹介させて頂きます。

「日本百名山」の一つ、群馬県の赤城山は標高1828mの黒檜山を最高峰とする火山です。中央火口丘の地蔵岳や外輪山、寄生火山の薬師岳、荒山、鈴ヶ岳などの山々、そして火口原湖の大沼、火口湖の小沼、大沼に続く湿原と沼からなる覚満淵など、水と緑豊かな自然に恵まれ、登山者の訪れも多い全国でも有数の山岳観光地です。山頂部は県立公園に指定されています。

赤城大沼と黒檜山

県立赤城公園の活性化に向けた基本構想案とパブリックコメント募集

県は今年2月、県立赤城公園の活性化に向けた基本構想案を公表しました。大規模なキャンプサイトの構築やビジターセンターを建て替え交流拠点施設を整備するなどして、赤城山観光の活性化を図るのが目的です。県では3月15日まで、基本構想案へのパブリックコメントを募集しましたが、県民の反応は大きく、通常のパブリックコメントと比べ、かなり多くの意見が寄せられたそうです。

高層湿原に囲まれた覚満淵

火山湖の小沼

群馬県山岳団体連絡協議会の意見

 群馬県山岳連盟、群馬県勤労者山岳連盟、日本山岳会群馬支部で組織する群馬県山岳団体連絡協議会でも、この基本構想について意見を提出しました。活性化に異論はないものの、「小沼の畔や高層湿原の覚満淵にテントサイト、グランピング施設、宿泊施設を設けることは、自然環境と景観の破壊にもつながること。さらに登山者の視点に立った登山道や関連施設の整備も行うべき」などとし、構想の見直しを求める内容です。同協議会の意見について、県では今後も意見を聞いて進めていくとしています。

中央火口丘の地蔵岳

寄生火山の荒山と鍋割山

自然と調和した山岳観光地の在り方は、全国に共通する課題でもあります。特にコロナ禍での宿泊観光の不振、逆にキャンプや登山といったアウトドア志向の高まりがもたらす問題なども目立ってきました。赤城山の問題は全国横断的な象徴的事例としても注目を集めることになるでしょう。

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