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山の日レポート

山の日レポート

通信員レポート

岐阜の山へどうぞ!

2021.07.08

全国山の日協議会

岐阜の山々の概要

岐阜県大垣市に在住の清水克宏さんのレポートです。

「岐阜県の山」というと、どんなイメージをお持ちでしょうか。 
たぶん「具体的なイメージはあまり湧かないなあ」、という方も多いのでは?

岐阜県は、森林率が81%と日本第2位で、日本の3千m峰21山のうち9山が位置し、県歌に「岐阜は木の国、山の国」と歌われる日本有数の山岳県です。しかし、どうもPR下手で、例えば「木曽の御嶽山」「加賀の白山」の半分が岐阜県にまたがっていることはあまり知られていないのが実情です。
長野県や山梨県などに比べ首都圏から遠いことや、県の南端の濃尾平野周辺に人口が集中することから県民自身の山への関心が低いことも、認知度を低くしている一因かと思います。

私は岐阜県大垣市に在住し、大垣山岳協会および日本山岳会東海支部に所属して全国800山あまりの山々を巡ってきた「山馬鹿」ですが、このたび、岐阜の「佳(よ)き山」百山を選りすぐった『森の国水の国 岐阜百秀山』(㈱ナカニシヤ出版)を刊行しました。ここで、何かと日の当たらない岐阜県の山が、実は個性と魅力に満ちていることをご紹介します。

岐阜県山岳の概念図

日本の山の諸相を一通り体験できる

岐阜県は、県最高峰の奥穂高岳など3千mの高峰から濃尾平野の海抜0m地帯まで標高差があります。また、南北に150㎞、東西に120㎞以上の距離があり、夏が多雨な太平洋側の気候区、冬に豪雪に見舞われる日本海側の気候区、寒冷ながら降水量の少ない中央高地式の気候区にまたがります。
このようなことから、気温、降水量、積雪量などに地域差が大きく、植生もさまざまで、文化的にも南北はかつて別の国だった美濃・飛騨地方の違いがあり、東西は東・西日本の境界にあたります。
そのため、多様性が岐阜県山岳の特徴となっており、岐阜県の山を巡れば、日本の山の諸相を一通り体験することができます。

槍ヶ岳から望む笠ヶ岳と白山

日本有数の豪雪地帯

もう一つの個性として、日本海に近く日本有数の豪雪地帯である両白山地や飛騨高地を中心とする県北西部の山岳地帯は、本州でもっとも人口密度が低い地域でもあることから、本州中央部にありながら「道なき山」が多いことがあります。「道なき山」がつまらない山かというと、まったくそんなことはなく、日本山岳会選定の日本300名山の野伏ヶ岳、猿ヶ馬場山、笈ヶ岳にも登山道はなく、むしろ手つかずの自然が残された冒険的な体験のできる難峰として岳人の憧れとなっています。
岐阜県には、槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳、笠ヶ岳などの高峰、白山、御嶽山などの霊峰、金華山、養老山など歴史の舞台にもなり親しまれてきた低山、そして、北飛騨や奥美濃のブナやミズナラの原生林に包まれた道なき山など、個性豊かで魅力的な山がひしめき合っています。

新型コロナウイルスが沈静化した暁には、どうぞ岐阜県の山へお越しください。

豪雪の両白山地

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