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山の日レポート

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通信員レポート

「一人の想いから始まる山 ― 岐阜・里山をつなぐ人々」第3話:”道を守るという仕事”と道家信之氏

2026.06.02

全国山の日協議会

本稿は、岐阜県の塩原将さんよりご提供いただいた原稿を基に
山の日協議会で編集を行なったものです。
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 次にご紹介するのは美濃國山城トレイル実行委員会の副代表で登山道保全委員会委員長の道家信之さんです。

美濃國山城トレイルが100kmの道のりに向けて行ってきた主な活動には、登山道整備、歴史や遺産を巡るイベント、トレイルランニングなどがあります。道家さんはそこにトレイルランナーとして関わってきました。

ランニングの軽装スタイルにワラーチという山を走る事のできる草鞋型サンダルを合わせて姿は「これぞ道家さんのスタイル」と言われるくらいに仲間内にも浸透しています。

登山道整備の活動説明をしている道家さん

~はじまりは一本の声かけから~

 道家さんが美濃國山城トレイルに関わるきっかけとなったのは、4年ほど前、文珠山近辺を巡って下山した時に、「揖斐から坂祝までの山道を繋げて100kmのルートを作るプロジェクトがあるので参加してみませんか?」と声をかけられたことでした。
 それを聞いた当時は、TV番組でUTMBなどのロングトレイルのレースがある事くらいは知っていたものの、住んでいる地域の近隣にそのようなロングトレイルが実現する事には半信半疑で、そのフィールドが家から数十分の所に広がっているなんて想像する事すらできなかったそうです。

 翌月から試走会などに参加して、少しずつ現在の山城メンバーの一部と交流を深める事になりました。ロングトレイルやレースを実際に経験している方々と、長時間にわたって話をしながら山道を辿るのは今までにない経験で、そこから頭の中のフィールドも少しずつ広がっていったそうです。

 その後、道家さんは運営にも関わるようになり、「とりあえずやってみよう」と開催された2023年のプレ大会にも携わりました。そこには多くのランナーやボランティアを含めた運営スタッフの笑顔があり、まだ遠い未来の夢物語かと思っていた100kmのイベントが実際に行われ、その中にいた自分の高揚感を忘れられないとの事でした。

 イベントで得られた教訓や、他のイベント団体の方からのアドバイスによって、山城トレイル自体も磨き上げられるとともに、道家さん自身もできる事が増えて、人とのつながりを広げる事が出来たそうです。

〜道をどう残すか〜

 そんな中で、道家さんが目を付けた活動が登山道整備の活動になります。美濃國山城トレイルにて行っている登山道整備とは、階段の敷設や新たな山道を拓くというようなものでなく、既存の山道を人が通れるように整える活動を指します。
人が通るにあたり、その危険を取り除く(倒木の除去、浮石対策など)のが主たる作業内容になります。自然と人との共存を図るために、すでにあるものはそのままにしておくという理念のもと、生木を切ることは原則行っておりません。「整備」と言うよりは「保全」と言った方がいいかもしれません。

人の往来が無くなればその道は荒れて無くなってしまう為、道迷いから「ここは通れるのでは?」という判断で誤った方向へ進んでしまい事故が発生する、ということにもつながりかねません。あくまでも山は自然のままである事を前提に、人が通らせてもらうという意識で、その通るところを明確にすると言う事を目指しているそうです。

~整備によって開拓された網代山~

 そんな登山道整備の活動を、昨年は100kmのトレイルの範囲で5回に分けて行われました。私も何度か参加させて頂きましたが、登山道整備のイベントだけすべて参加された方もいらっしゃいました。その方は「私は走ることはそんなにできませんが、山が好きで、里山で活動される美濃國山城トレイルが好きなので参加しています」とおっしゃっていました。そして登山整備イベントに参加しているうちにトレイルランニングにも興味が出て、後日「山城GT100km」と言う100kmをグループで走るメンバーに加わって完走を果たしました。

倒木の除去

 その登山道整備イベントの中には、網代山という名前の山もありました。美濃國山城トレイル100kmの道のりのちょうど中間地点くらいに訪れる山になりますが、この網代山は数年前まで山道は草で生い茂り、荒れに荒れて道が無くなり、とても人が登山として楽しめる山ではありませんでした。そんな山でしたが道家さんをはじめ美濃國山城トレイルのメンバーと地元の方々の協力を得て少しずつ道を整えて、山頂を網代山と言う名前で登録をし、道を繋げてYAMAPという山地図アプリにルートを掲載して頂き、今では人が登山として楽しめる地元の里山の一つとなりました。

今後も多人数が参加するトレイルランニングのイベントなどで使用すると山道が荒れるということもあるので、フィールドのメンテナンスと地元の里山登山文化を後世に残していく為に、引き続き活動をしていくそうです。

活動中に拾ったゴミやガラス片

〜山に“通わせてもらう”という思想〜

「山という場所に人が遊ばせて頂いている」

これは山を敬愛する道家さんの言葉です。私もすごく共感をしており、その想いを今後も大切にしていきたいと思います。

皆でお決まりのポーズ

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