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山の日レポート

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通信員レポート

【栃木県】自然保護委員会としての活動を紹介

2025.10.16

全国山の日協議会

栃木県山岳・スポーツクライミング連盟 自然保護委員会委員長 速水敬子さまよりレポートです

自然保護委員会としての活動を紹介したいと思います。
栃木県内では年2回の大きなイベントを開催しております。

■■■「日光清掃登山」7月第一日曜日に開催■■■
 まず一つは7月第一日曜日に開催する「日光清掃登山」です。このイベントは栃木県「山の日」協議会、日本山岳会栃木支部、日光那須山岳ガイド協会、との共催開催です。
 今年は50回目の節目の年になりました。前夜祭として日光湯本ビジターセンターにおいて、桑名ビジターセンター長によるミニ講演を行いました。題名は「日光の山々と動物のかかわり」として、日光の山々の地形や特徴から始まり動物被害について説明され、特にシカ被害について言及されました。高山植物のシラネアオイが壊滅状態から少しずつ復活したがまだまだ課題は多いとのことでした。続いての懇親会は手づくり豚汁が大変好評でした。

50回「日光清掃登山」受付

 当日の開会式は165名の参加者を迎え、特に栃木県「山の日」協議会からの携帯トイレの無償提供や50回記念のボールペンなどの配布等があり各会、各自の活動に入りました。

50回「日光清掃登山」開会式

山に入る方々のマナーの向上などでゴミは減少

 以前は昔埋められたゴミが露出しての掘り出し回収など大変でしたが、山に入る方々のマナーの向上などでゴミは減少しています。

50回「日光清掃登山」活動中

登山道から離れたところで大量のごみ

 しかし今年は一部の山域で登山道から離れたところで大量のごみが回収されました。日光那須ガイド協会の方々と山岳会の方々の尽力によるものです。
 地域の皆様の協力もあり今後も続けたいと思います。

50回「日光清掃登山」ゴミ

「那須クリーンキャンペーン」9月第一日曜日に開催

 もう一つが9月第一日曜日に開催する「那須クリーンキャンペーン」です。今年は45回目です。「日光清掃登山」の共催者の他に栃木県勤労者山岳連盟が加わっての共催開催です。
 今年はテーマを「携帯トイレの普及活動」として活動しました。24団体、一般者を含め161名の参加者を迎えての活動でした。

45回「那須クリーンキャンペーン」受付

那須の山々での携帯トイレ普及

 これも栃木県「山の日」協議会による無償携帯トイレの提供があり活動できたものです。
 開会式には岩手県から「早池峰にはゴミは似合わない実行委員会」代表、「携帯トイレサポート早池峰」会長の菅沼賢治氏が駆けつけてくださり、挨拶時に携帯トイレのパフォーマンスもしていただき開会式を盛り上げてくださいました。閉会後には、関係官庁、各山岳会代表等が集まり今後の那須の山々での携帯トイレ普及について、粂川岳連会長より提案していただきました。

携帯トイレのパフォーマンス

携帯トイレを使用 無料体験

 那須の山の特徴は日本百名山となっている茶臼岳を中心に朝日岳や三本槍岳などがあります。茶臼岳は火山の山であり木々はなく頂上付近は強風の通り道です。峠の茶屋登山口から1時間ほど登った所の峰の茶屋跡に避難小屋がありますがトイレはありません。茶臼岳や朝日岳方面から避難小屋経由で下山するのが一般的です。観光客も多く、特に幼稚園児や小学生も登ります。ここにトイレがないため戸惑う人が多くいます。
 今回はこの避難小屋までトイレブースセットを持ち上げて、実際に携帯トイレを使用してもらうのが目的です。トイレブースを2セット用意して避難小屋の中と隣の空き地に設置して無料体験を開始しました。
 同時に独自のアンケートも実施、87名から回答を得ました。総括としては
 ・女性が6割、年代は60代から70代が3分の1を占める。
 ・携帯トイレの認知度は高い。
 ・持っている人は半分(山岳関係者が多かった)だが使用したことがあるのは3割強となる。
これらから見えてきたのは、使用経験がないため携帯トイレは持っていても、その快適さ、便利さ、自然への負荷が無い、などがわからないのではと思われます。25名の方に無償携帯トイレを体験してもらい、途中から「山の日」協議会関係者も加わり、無償携帯トイレを配布しました。
 おかげさまで大変盛り上がった活動となりました。

避難小屋

山のトイレ問題 自分のものは自分で処理する

 全国の山々の状況や実際に登って使用した感想からすると、これからの山のトイレ問題は自分のものは自分で処理するのが当然となってくるのではないでしょうか。
 現在各関係省庁や行政、山岳関係者との話し合いの最中です。栃木県の山にはトイレがありません。これを逆手に取り、栃木の山は、自然を守りながら自然を楽しむためにトイレの小屋はなく、トイレブースさえ最低限に抑え、使用済み携帯トイレは自宅まで持ち帰るという常識を根づかせたいです。そのためにはいくつかの対策は必要と思っています。まずは来年、活動日を増やして啓発活動をする予定です。

避難小屋トイレブース

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