山の日レポート
通信員レポート
東北の山を眺める/まずは鳥海山・その2
2024.06.13
みちのくの山野草探報者「モウズイカ」さんからの「東北の山を眺める」シリーズ2回目です。お楽しみください。
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鳥海山は、山形県と秋田県の県境にあって、標高2,236メートル。
またの名を出羽富士とも呼ばれ、山麓周辺の人々の守り神として、古くから崇められてきました。
鳥海山は山形県では庄内平野からいきなり聳えています。
庄内平野は大部分が標高30m以下(酒田市の中心街は5mにも満たない)の低平な地形なので
ここから眺める鳥海山との高度差は約2,200mとなります。
これだけの高度差で平野から聳える山は国内ではあまり無いと思います。
前にも申し上げましたが、平地から間近に見える山でこれ以上の標高差がある山は
(安曇野から望む北アルプス、甲府盆地北部から望む南アルプスを除けば)
富士山と富山平野から見る剱岳立山、加賀の白山、日光の男体山女峰山、上越の頚城三山くらいでしょうか。
庄内平野から望む鳥海山の姿は単独の山ではなく、おおまかにはふたつのお山。
右側に鳥海山本体が高く聳え、左に笙ヶ岳など西鳥海山が低く並ぶ構成になっています。
同じ遊佐町でも少し南の方、町の中心に近い月光川河川公園(マップではB)から見るとこうなります。
私はここと次の八幡町から見た姿が「庄内鳥海」の典型ではないかと思っています。
なお月光川河川公園は映画『おくりびと』のロケ地としても使われました。
主役の本木雅弘さんが、この川の堤防の上の椅子に座ってチェロを弾くシーンが印象的でした。
私が訪ねた2019年当時は、本木さんが演奏時座っていた椅子がありました。
これは、酒田市八幡町のコンビニ(マップではC)から眺めたものです。
ここは鳥海山に関してはとても優れたビューポイントのひとつです。
ビューポイントと言えば、河口湖畔のコンビニでは、店の上に富士山が見えることから、多くの外国人が大挙押し寄せ社会問題となっていました。
処がここは、とても素晴らしいビューポイントなのですが、いつ行っても鳥海山を眺めている人はほとんど、いや全く居りません。
この場所には、今年四月下旬にも通りがかりましたが、雲に覆われ鳥海山本体の姿は見えませんでした。
しかしながら、笙ヶ岳山頂のすぐ下に有名な雪形が見えました。
この雪形は「種まきじいさん」と呼ばれています。
ちょうど農作業を始める頃に現れるので、昔から農作業の目安となったと言われています。
八幡町から日向川に沿って東に進むと、升田という集落に至ります。
鳥海山の南側には出羽丘陵が連なるため、鳥海山は見えにくくなりますが、
升田は鳥海山を南の方角から望める貴重な平地です(マップではD)。
位置的には鳥海外輪山山頂部から約10km、ほぼ真南で標高は210~220m、山頂部との標高差は約2000mです。
ここから望む鳥海山はやや幅広い形になります。
鳥海山の東側には丁岳山地が連なり、低平地は全く無く、山には登山道も無いため、鳥海山の姿を見ることが出来ません。
遠く南東の新庄盆地まで行くと、鳥海山は出羽丘陵の上に姿を現しますが、庄内のように大きく見えません。
真室川町の大沢地区に行くと、限られた場所(マップではE)から小さな鳥海山を見ることが出来ます。
こちらから見る鳥海山は山頂部が幅広なので富士山と言うよりもキリマンジャロかなと私は思っています。
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