山の日レポート
通信員レポート
東北の山を眺める/まずは鳥海山・その1
2024.06.01
みちのくの山野草探報者「モウズイカ」さんから、今回「東北の山を眺める」シリーズの投稿を戴けることになりました。お楽しみください。
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今回は山に登るのではなく、山を眺める話をしようと思います。
私は子供の頃から山が好きでした。
幼少の頃は下界から遠く眺めるだけ、長じてから山そのものに登り、時には頂きを極めるようにもなりましたが、老いて来たらまた眺めるスタイルに戻りつつあります。
鳥海山は私が住んでいる秋田市からも小さく山体の一部を見ることが出来ます。
眺める山シリーズ、最初は「鳥海山」からスタートします。
鳥海山は、秋田と山形の県境付近に聳える火山で、高さは2236m、東北では尾瀬の燧ヶ岳に次いで二番目に高いとされています。
日本海のすぐ近く標高0mから聳えているので、山体としての高さ、規模の点では燧ヶ岳(標高2356m、ただし山麓の尾瀬ヶ原の高さは約1400m)を遥かに凌ぎます。私は東北第一の高山だと思っています。
庄内平野や本荘、にかほの平野から眺めると2200mを超える標高差で聳えております。
これだけの標高差で平地から眺められる山は東北では鳥海山だけ、国内でもそう多いものではありません
(平地から間近に見える山でこれ以上の標高差がある山は、富士山と富山から見る剱岳立山、加賀の白山、日光の男体山、女峰山、上越の頚城三山くらいでしょうか)。
なお鳥海山は秀麗な姿から「出羽富士」や「庄内富士」、「秋田富士」などとも呼ばれますが、富士山とは異なり、見る角度や場所が変わると、その姿を大きく変えます。
鳥海山の眺めは多彩なので、今回も含め、三回シリーズで紹介します。
初回は今年1月11日、秋田県「にかほ市」から見た鳥海山です。
日本海側の秋田地方の天候は冬場の約四か月間は曇天や降雪が続きます。
そのため冬に鳥海山が見えることは滅多になく、三月になって初めて見えたという年もあった程です。
(ここが太平洋側の富士山との大きな違いです)
当日は珍しく、朝からからりと晴れて自宅二階から鳥海山のアタマが見えました。
すぐにでも、もっとよく見える場所まで行きたいところでしたが、所要もあり出かけられません。
そうこうするうち、鳥海山方面には雲が懸かり見えくなりました。
ところが15時近くになったら、雲も取れ、勇姿を現してはいるではありませんか。
にかほ市まで走れば「夕日を浴びた鳥海山」が見られるかもしれない。
善は急げと出発、16時ちょっと前頃、にかほ市の象潟インターに到着。
次の写真は、「参考マップの地点A(高速道路を降りて奈曽大橋を越えた先の道端)から撮りました。
鳥海山本体の前面に支峰の稲倉岳が覆いかぶさっています。
これが今年初の「鳥海山」撮影になりました。
次いで約10分後、「参考マップの地点B(国道7号線との合流点にある大砂川のコンビニ駐車場)」から望む鳥海山です。
「マップ地点A」から見た鳥海山は冒頭二枚の鳥海山とはとても同じ山とは思えない姿です。
「参考マップの地点B」で鳥海山を眺めた後、国道7号線を南に少しだけ走り、左折して大須郷の集落「マップの地点C」に入ってみました。ここから眺める姿は「地点B」とあまり変わりません。
鳥海山全体の姿を眺めてみました。
ここから眺める鳥海山は左側に支峰の稲倉岳が突き出しているので、
ふたつ山が並んでいるように見えます。鳥海山は見る場所がちょっと違うだけで大きく姿を変えます。
ところで鳥海山本体の右、手前側に見える笠を伏せたようなゆったりとした山は何というのでしょうか。
地図で見ると、扇子森(1759m)や御浜神社、笙ヶ岳(1635m)など部分的な地名は有るが、緩やかな山全体を表す名前はわかりません。
後で手持ち書籍、フィールドガイド日本の火山4 東北の火山(高橋正樹+小林哲夫・編、築地書館・発行)にあたったところ、鳥海火山は東部と西部のふたつに分けることが出来ると言う記述が有りました。
そのため西部のこのゆったりとした鳥海山はひとまず西鳥海山、あるいは西鳥海火山と呼ぶことにしました。』
この先、県境を越えて山形県側からも眺めたかったのですが、今回は日没も近づき、そちらへの移動を断念しました。
日没前に「参考マップの地点D(にかほ市内の小滝)」に急ぎ移動し、バス停跡地で撮影を始めました。
ここから見ると、稲倉岳は鳥海山本体の脇に収まり、見分けがつかなくなっています。
17時少し前になったら日没でした。
日没後、短時間ですが、アーベンロート(夕焼け)になりました。
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