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山の日レポート

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通信員レポート

ネイチャーポジティブへの取組み 「環境DNA山岳地域モニタリング報告会」

2023.11.07

全国山の日協議会

宮城県加美町中新田交流センター

11月5日宮城県加美町で、NPO法人ファーストアッセントジャパン、宮城県山岳連盟によるシンポジウムが開催され、全国山の日協議会は後援で協力させていただきました。
会場の宮城県加美町中新田交流センターは、昭和8年設立された小学校を、平成に入り地域交流センターに転用したもの。築90年の小学校校舎は、驚くほど立派な建物です。

加美町中新田交流センター 築90年の小学校校舎

■ネイチャーポジティブ:
2022年に国連生物多様性条約締約国会議で採択された、「これまで減少傾向であった生物多様性の状態を、2020年のレベルを基準として2030年に戻し、2050年までに回復軌道に乗せる」というもので、生物多様性の世界共通目標として浸透しつつあります。

■環境DNA山岳地域モニタリング:
河川の水のDNA調査をすることで、流域の魚類、動物、鳥類等の生息調査が出来る手法です。

報告会

宮城県山岳連盟とファーストアッセントジャパンのクライマーが連携して、東北地域を中心に日本各地で調査活動をした報告会でした。
5名の先生方の会場での講演、また京都大学大学院情報学研究科 土居秀幸教授はリモートでの講演でした。
クライマーの方々は、通常科学者が足を踏み入れられない場所での調査を担当して、科学者の方々と協働しました。

東北大学大学院生命科学研究科 近藤倫生教授の講演

質疑応答中の講演者の先生方
左から、東北大学大学院農学研究科 陶山佳久教授、北海道大学大学院地球環境科学研究院 工藤岳准教授、筑波大学山岳科学センター 田中健太准教授、東邦大学理学部生物学科 下野綾子准教授

質疑応答中の講演者の先生方

第6の生物の大量絶滅期

シンポジウムでは、現在は6500万年前の恐竜絶滅期の後、「第6の大量絶滅」が進行中であること。またネイチャーポジティブへの取組みの一環としての、環境DNAモニタリングを聞くことで、登山愛好家・自然愛好家への生物多様性の危機的な現状を知ってもらうことの重要性を認識しました。
会場には60名ほどの参加者が、そして多くの方々がオンラインで参加しました。

会場には60名ほどの参加者

むらかみみちこ宮城県岳連会長・ファーストアッセントジャパン理事長から、モニタリングに実地参加した子供たちの紹介です。将来の重要な環境の担い手でしょうか。

モニタリングに実地参加した子供たち

多くの学び

研究者の方々から直接話を聞く貴重な機会を得た参加者全員、丸1日の対面でのセッションを楽しんだ様子でした。
1時間のクロージングセッションでは、活発な質疑応答が繰り広げられ、参加者の環境への関心の高さを感じました。

会場でのホスピタリティ:ピアノ演奏と前日加美町の里山から取ってきた草花を使っての生け花

このプロジェクトを推進し、今回の報告会の開催に導いた宮城県山岳連盟およびファーストアッセントジャパン会員の方々の努力と環境保全への取り組む姿勢に、多く学ぶものがありました。

PDF:20231105「環境DNA山岳地域モニタリング報告会」資料


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