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山の日レポート

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通信員レポート「おきなわ」

オキナワカブトムシを使って子供達への自然体験教育

2023.07.01

全国山の日協議会

沖縄本島北部屋我地島に住む座間味真さんからのレポートです その1

4月14日、屋我地ひるぎ学園の4年生16名にオキナワカブトを用いた出前授業を行った。
カブトムシは本土、ユーラシア大陸東部、沖縄本島、久米島との4亜種からなる。昔、大陸につながっていた沖縄が島となって、カブトムシも独自に進化していったと。沖縄のは本土と比べて体が小さく、体をこすってよく鳴き、落ち葉や小枝ではなく、朽木を好むと説明。
説明が長いと飽きてくるので、10分位できりあげる。
 
容器をひっくり返し幼虫が現れるとウォーっとどよめきが起こる。この瞬間がたまらない。市街地の学校だと気持ち悪いとか怖いとかで身を引くのが1~2割いるが、この学校では0だった。初めツンツンと軽くつつく子供も、手のひらに乗せてくる。容器に飼育マットを入れ、幼虫を戻す作業したい人とたずねたら、すぐに手をあげる。
 
学校に置いた幼虫でこれからサナギ、羽化、成虫、交尾、産卵セット、卵、幼虫の堀りだしと9月まで一連の観察と作業をやる。私も毎週水曜に学習支援で学校行くので、アドバイスできる。掘り出し幼虫が多く得られたら、低学年の子供たちにも渡そう。

その2:浦添市で配布会および展示

6月17日、浦添市のてだこ広場で主に沖縄ルーツの動物の配布会と展示を行った。
配布はメダカ、フナ、トウギョ(タイワンキンギョ)とオキナワカブトムシだった。オキナワカブトムシは約200匹のうち羽化したのは25匹で、まだほとんどはサナギの段階だった。このため会員からも提供し、オス20匹にとどめた。
来客は森林協会の方が途中まで数えて200名を越えたが、そこからは数えなかったが、300名位と推測される。オキナワカブトムシの配布は1回目のくじで43家族が応募し、2回目のくじで23家族が応募した。くじを外れた方へごめんなさい。8月中旬には産卵させ2000匹ほどの幼虫が得られるだろう。それならくじ無しで全員に幼虫を配布できる。
1週間前にはイチムシ会員のスタッフは5名しか名乗り出てなかった。ヤバいと再度呼びかけたら22名が参加した。すなわち全会員の半分ほどにあたる。会員の子供を加えるともっと増える。会場では3名がイチムシ会に加入したいどの申し出があった。

生体展示はオキナワコカブト、ヒラタ、ノコギリ、ヤエヤママルバネ(幼虫)、ヘラクレス、リュウキュウガジカガエル、ヒメアマガエル、ヤエヤマイシガメ、オキナワシリケンイモリ、オキナワキノボリトカゲ、ヒョウモンドジョウ(規制前に採集している)、など。標本はドイツ3箱に昆虫ずらりで50種類以上。これは沖縄の甲虫図鑑の著者が集めたもので、図鑑も販売した。展示では質問などにも答えた。

オキナワカブトムシ。動き回ってなかなかいい写真が撮れない

会員の子供達も展示の説明に一役買っている

その3:オキナワカブトムシの交尾、生命を次世代につなげる

春に屋我地ひるぎ学園の4年生にあげたオキナワカブトムシの幼虫が先週羽化していた。先生に今日結婚させて産卵セットを組むから、放課後子供たちに残るようにと伝えていた。ところが用事あるとのことで、4名しかいない。 関心薄いな~と感じながら、2ペアでオスをメスの上に乗せた。様子を見た2年生の先生が私があげた幼虫が羽化したのを持って3ペアとなった。昼なのでカブトムシもやる気なく、不発かなと池での作業を始めようとしたら、子供が声をあげた。オスがメスの背中にしがみつき体をブルブル震わせている。
他の学年も集まりだし、覗きウォーと声をあげるのもいる。低学年は交尾ってなに?なぜするの?と質問してくる。オスの精子をメスの体に入れないと、卵は幼虫にならないのよと説明しても、ピーンとこないみたい。今後分かりやすい説明を考えなくては。
私が子供のころはトンボが交尾しながら飛んでいたり、道端で犬が交尾した光景は普通だった。
高学年は少し照れた表情の子もいたが、これは生命を次の世代につなぐための自然現象だと、身近で目撃させるのがいいと居直った。植物なら花粉を受粉させるので生々しくはないけど。
交尾したメスは産卵セットの容器に移し、学校に置いとく。7月に卵を産み、8月には幼虫が出てくる。うまくいけばメス1匹から40匹ほどになり、1人2匹づつ分けられる。

そっとだと、身体は離れない

オキナワカブトムシ

沖縄県RDB:準絶滅危惧
環境省RL:情報不足 (DD)
沖縄諸島のみに生息し、日本本土に生息するカブトムシの亜種にあたります。日本産(本土)カブトムシと比べて、頭と胸の角が短く体も小さいことが特徴的です。
オキナワカブトムシと久米島の固有種であるクメジマカブトムシは、約170万年前におきた地殻変動の影響から他の島々と隔離され、日本産カブトムシと遺伝的に大きく離れています。カブトムシの中では最も祖先的な種とされています。
開発などの森林伐採による個体数の減少や日本産カブトムシとの交配による遺伝子のかく乱などが懸念されます。

沖縄イチムシ会:

沖縄本島の北部 屋我地島で、生き物好きな人たちが集まり、沖縄在来の昆虫や魚類など小さな生きものを飼育し、保護、繁殖を行い、無料の譲渡会などを開催し、生き物の魅力を伝えています。
小さな虫にも大切な命が宿っている。そんな思いが会の名前の由来といいます。
日頃から、生き物の飼育や自然に関する情報を交換し、虫たちと共生する。
子どもたちに虫と触れ合う機会をつくっています。ただ虫や幼虫を配布するのではなく、子どもたちに、飼育方法を伝えていくことも大切なことだと取り組んでいます。

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