山の日レポート
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みちのく高山植物誌(4)ニッコウキスゲがいっぱい
2023.06.15
みちのくの山野草探訪者「モウズイカ」さんからのレポート第4回です。
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花色は橙黄色でよく目立ち、また群生することが多く、見ごたえのある花風景を作ります。
全国的には、日光の霧降高原や尾瀬、信州の霧ヶ峰などがこの花の名所とされますが、
東北では高山の他に一部の低山、低湿地、海岸でも見かけます。
今回は群生の規模の大きい鳥海山や八幡平のものを紹介します。
鳥海山では西側、長坂道稜線に大きな群生地が有ります。
この花は二~四年くらいの周期で花が多く咲く年が巡って来ますが、
最近では2022年が(大)当たり年でした。
この花の仲間は、一日花なので「ディ・リリー」とも呼ばれます。
こんな立派な花が僅か一日で終わるとは実に勿体ない話。
本当にそうなのか、自庭に植えているニッコウキスゲの
園芸改良品種ヘメロカリスで確認したところ、
完全に一日花ではなく、
二日間くらい咲くものが多いことがわかりました。
ということは2ディ・リリー。
いずれにしろ、こんな立派な花を、暑い季節に次々と咲かせたら、
さぞかしエネルギーを消耗することでしょう。
豊作年の後には二年くらいかけてエネルギーを充填するのもむべなるかな。
ニッコウキスゲは、図鑑等によれば、ゼンテイカ(禅庭花)が正式和名で、
長年呼び慣れたニッコウキスゲは別名扱いとなっています。
また植物分類学上はずっとユリ科でしたが、現在はススキノキ科とされています。
ススキノキとはオーストラリア原産の樹木なので、日本人にはなじみが薄い植物ですが
科全体の特徴として、『葉が線形でロゼットになり、そこから花茎が立ち上がる』
とありました。
そう言われるとニッコウキスゲも確かにそうなってます。
花は狭義のユリにそっくりですが、それ以外の形態は違います。
しかし、私自身、残りの人生で、
ゼンテイカという名前と
ユリ科⇒ススキノキ科という移動を受け入れることが出来るものやら。
ここではニッコウキスゲは中腹から山頂にかけて点在する湿原で多く見かけます。
まずは初夏の芽出し風景。
ここでは他の花とのコンビネーションが魅力です。
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