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山の日レポート

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立山信仰の世界へようこそ!【連載12】立山における自然と人間のかかわり方を学ぶ

2026.07.27

全国山の日協議会

 みなさん、こんにちは。富山県[立山博物館]館長の高野です。

 この連載では、雄大な立山の自然を背景に育まれた、立山信仰の精神世界を紹介してきました。立山博物館は、展示施設とともに「立山信仰の里」である芦峅寺地区の遺構・建造物や歴史的景観を総合的に活用し、立山の自然と歴史文化を紹介する県立の総合博物館です。今回は、この連載のまとめとして、立山博物館をご紹介いたします。

展示館第1展示室 ブナの森コーナー

(1)教界ゾーンとは?

 立山博物館は、かつて立山信仰の拠点集落であった芦峅寺地区全体を一つの博物館とし、全国でも珍しい広域分散型の博物館になっています。広大な面積を有し、〈教界〉・〈聖界〉・〈遊界〉の3つのゾーンで構成されています。
 〈教界〉ゾーンにはメイン施設である展示館があります。設計は建築家の磯崎新氏です。第1展示室「立山の自然と人々のくらし」と第2展示室「立山信仰の世界」の2つの常設展示室からなります。平安時代の剱岳・大日岳発見の銅錫杖頭や銅造帝釈天立像(国指定重要文化財)、立山信仰用具(国指定重要有形民俗文化財)の文化財をはじめ、タッチパネルやデジタルサイネージで立山の自然や歴史を楽しく学べます。企画展示室では、年2回の特別企画展を開催しています。
 また、展示館に隣接する教算坊は、江戸時代に芦峅寺にあった33の宿坊建築を今に伝えており、その庭園は「とやまの庭園百選」に選ばれています。さらに、山岳集古未来館は、近代の貴重な山岳資料を収蔵展示する施設です。これらの施設を周遊することで「立山の山岳文化」の魅力を味わうことができます。

展示館第2展示室 日本三霊山コーナー

(2)聖界ゾーンとは?

 続いて〈聖界〉ゾーンには、映像ホールの遙望館があります。立山の自然と立山曼荼羅の世界を迫力満点の3面大型スクリーンで紹介する施設です。上映終了後にはスクリーンが跳ね上げられ、晴天時には前方に実際の立山を望むことができます。
 また、遙望館周辺には、布橋、うば堂基壇、芦峅寺の宗教施設「閻魔堂」、石仏群があり、ゆっくりと時間をかけて散策することで、立山信仰の雰囲気を体感できます。

教算坊とその庭園

遙望館から望む立山

(3)遊界ゾーンとは?

 そして、〈遊界〉ゾーンには、まんだら遊苑があります。設計は建築家の六角鬼丈氏です。立山曼荼羅の世界を立体造形で表現し、五感(光、音、香りなど)の演出により、地界・陽の道・天界・闇の道をたどりながら、その世界を体験できる野外施設です。近年は、「地獄と極楽のテーマパーク」と称され、他に類をみないユニークな施設として人気を博しています。
 また、「立山風土記の丘」の時代から引き継ぐ、かもしか園、旧宿坊建築の善道坊、旧嶋家住宅(国指定重要文化財)、旧有馬家住宅(立山町指定文化財)があり、先人の暮らしの知恵やいのちを伝える施設が点在しており、散策しながら楽しめるゾーンになっています。

まんだら遊苑 地界(音触鬼)

まんだら遊苑 天界(天卵宮)

(4)立山の文化の伝承・創造・継承をめざして

 富山県は、水深1,000mの富山湾と標高3,000m級の立山連峰に囲まれており、標高差4,000mのダイナミックな自然が様々な魅力を生み出している県です。
 そして、立山は、富士山、白山ともに「日本三霊山」と呼ばれ、日本を代表する霊山として知られています。

 立山博物館は、立山の自然に対して、とやまの先人がどのように関わってきたのかをテーマにしています。これまで当館の学芸員が立山の自然や歴史の調査研究を進め、その成果を特別企画展図録や研究紀要などにまとめ、後世への学術的・文化的な財産として残しています。研究紀要は、当館のホームページからも読むことができます。

 これからも立山博物館は「立山の文化の伝承・創造・継承」を活動の主眼に置きながら、新たな時代にむかって挑戦・前進していきたいと考えております。

かもしか園 ニホンカモシカのモエ

 これまで連載をお読みいただき、ありがとうございました。立山へ来られた際には、ぜひ当館にお立ち寄りいただき、立山の自然、歴史文化の魅力、そしてとやまの先人の知恵にふれていただければ幸いです。

立山博物館 展示館

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