アンバサダー
応援メッセージ
「山」の恩恵
2021.08.08
私が山と関わる様になったのは2012年からなので、山の日アンバサダーの中でも、山の経験が最も短く、知識も一番乏しいのではないかと思われますが、それでもその短期間で、「山」の恩恵を様々な形で実感出来ている事は確かです。
私が登山未経験ながらも挑んだエベレストでは、再三失敗をし、最初の挑戦では、体力の限界と天候の悪化もあり8700m付近で断念、二度目の時にはアイスフォールでの雪崩事故に阻まれ、三度目はネパール大地震で発生したエベレストBCでの大規模な氷河の崩落事故に巻き込まれ一瞬、死をも覚悟しましたが、何とか九死に一生を得ました。
それでも諦めず、2016年の四度目の挑戦で登頂出来た時には、山に受け入れてもらえた事に感謝し、山に対する謙虚な気持ちと畏怖の念を持てたからこそ、登頂出来たのではないかと思えています。
私がエベレスト挑戦を思い立ったのは、私の故郷の福島県が、2011年3月11日の東日本大震災で未曾有の被害に見舞われ、福島に元気と勇気、夢と希望を届けたい、お金や物だけではない、心の復興にも繋がる応援をしたい、そんな想いからでした。
困難に直面し何度も挫けそうになりましたが、地道に努力を積み重ねれば、何時か必ず目標を達成出来る、登山は私に、諦めなければ叶えられる夢は絶対にある事を具体的に教えてくれました。
この十年を振り返ると、エベレストに挑み続けた中で、登山だけではなく、自然との触れ合い方や地球環境を考えるキッカケにも数多く出会えました。
2019年に全線開通したみちのく潮風トレイルを、2015年末~2016年3月に掛けて全線を踏破して、その時のロングトレイルの初体験から、新しい山や自然との向き合い方に気付けました。
2016年以降は、同郷の登山家、田部井淳子さんが東日本大震災の復興支援の一環として始めた東北の高校生の富士登山に参加する事が出来ていて、田部井さんが登山を通じ、東北の復興を担う若い世代に伝えたかった事へのサポートを続けています。
2018年からは、本校が北海道にある富良野自然塾の分校を、東北初で裏磐梯に開校した事に伴い、その特別インストラクターとして、地球を取り巻く環境の変化や気候変動問題、それに付随してSDGsにも目を向けて来ました。
去年、環境省から福島環境・未来アンバサダーに任命されましたので、新たな使命感を持ち、私が体感した「山」からの恩恵を、次なる世代へ受け継ぐべく邁進して参ります。
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