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山の日レポート

山の日レポート

自然がライフワーク

【連載】地域とコラボ!里山再生⑤針葉樹皆伐跡地の広葉樹林化 ―20年の歩みと現在の到達点― (3/7)

2025.01.04

全国山の日協議会

第3部 ひたすら森づくり:

川内千年の森、2004年購入当時

川内千年の森の植樹作業

 2009年に東温市の河之内集落井内に位置する森林1haを購入しました。
続いて2012年4月に東温市上林の森林3ha、7月に2haを購入しました。2014年には1.3haを購入しました。これら井内と上林の山も裸山で、スギ、ヒノキ苗の植林、下刈りを依頼しました。2009年から2014年にかけて購入した山はボランティア活動と切り離して林業労働のプロに頼みました。

 当時政権が変わり木材50%以上の自給率を目指したため、それまでは造林補助金は苗木代や下刈り代に主に出ていたのですが、それらには全く出ず、搬出間伐の費用のみに出ることになっていました。これら20haの森林にはかなりの出費が重なりました。当時1haの苗木代が3000本植えで25万円、植林代は15~20人口で30万円、下刈りが1日14000円で10人口×5年間で70万円位かかりました。苗木代の補助がなく、どの山主も「苗木代でひどい目にあった」と話していました。

川内千年の森:購入当時

 森林ボランティア用の千原千年の森、川内千年の森にはスギ、ヒノキの除伐の体験をする山がありませんでしたので、2009年から2012年に購入した7haの森林で除伐体験をしました。これらの森林は高齢化で人手が確保出来ず、針葉樹林は植林後2年くらい下刈りをしたままで手が入っていません。

 やや詳しく森林の購入事情を書いてきましたが要約すると、2003年から2004年にかけて森林ボランティア活動に必要なため購入した千原千年の森と川内千年の森の裸山の合計は16ha、ここには広葉樹を植えました。
 その後2009年から2014年に購入した裸山4か所の合計は7ha、スギ、ヒノキを植えてもらいました。
 私が、2000年に愛媛に移り住み裸の森林を購入したのは、総合計で24haでした。

9200本の広葉樹苗を植える

 最初は千原千年の森の上部1haに植林しました。スギヒノキを伐採してすぐの裸山でしたので地拵えはほとんどしないで済みました。山の上には架線出材の時にタワーとして使った太い立木が1本残っていました。
 翌年に購入した川内千年の森は裸山なのですが、立木が残っていました。形質がよくなかったのと風や雪の影響で傾いていましたのでそれらを伐採してから植えることにしました。スギヒノキを伐採した跡に枝葉も散在していたので地拵えに手間がかかりました。約9,200本の広葉樹苗を植え,下刈りをしました。愛媛県にあった8組くらいの森林ボランティア団体が森づくりを体験する場となりました。

プロフィール:

鶴見 武道(つるみ たけみち)
えひめ千年の森をつくる会会長 元愛媛大学教授 博士(経済学)
1946(昭和21)年茨城県生まれ
2001(平成13)年家族と愛媛県東温市井内の標高500mの棚田に移住、現在に至る。所有山林25ha 棚田1ha・15枚を所有し、未来循環型自給をめざした生活を営む。
大学在任中、えひめ森林ボランティア連絡協議会長、四国山の日実行委員会会長、四国の森づくりネットワーク会長を務める。

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