山の日レポート
通信員レポート
徳澤園の歴史と発展【後編】
2025.04.16
冬の小屋閉め後にも時折登山者などが訪れるため、冬期小屋を開設していました。
小屋番さんが越冬中に書かれた詩や絵画がたくさん残っています。
イヌたちと行う水汲み、自殺をするつもりで来てしまったという登山者との邂逅、そしてもちろん山岳遭難への現地指導基地としての役割。
小屋番さんが冬の厳しい環境を独り過ごす中では、さまざまなエピソードがあったようです。
冬期小屋初代番人の芳野満彦氏 (徳澤園140年史「世紀を超えて」より抜粋)
2016年8月、長野県上高地で第1回「山の日」記念全国大会が開催されました。晴天のもと、世界各国からの客人を含め400人あまりが参加し、当時の皇太子ご一家もご臨席。
当時、上高地町会長だった徳澤園四代目上條敏昭氏が明神池までの道を案内し、ご一家は和やかに周囲へ配慮しながら手を振られていたそうです。
皇太子ご一家を案内する上條氏 (徳澤園140年史「世紀を超えて」より抜粋)
上高地から始まった「山の日」全国大会は、今年2025年には福井県で第9回目を迎えます。
河童橋に建立された山の日記念式典の記念碑
快適な空間と温かいおもてなしが魅力の徳澤園は、現在、週末の予約がなかなか取れないほどの人気を誇っています。
コロナ禍を経て登山者が増加するなか、自然との共存などさまざまな課題もありますが、上高地、さらには北アルプス地域の魅力の一つとして、これからもその歩みが続いていくことを楽しみにしています。
徳沢のキャンプ場より望む明神岳と前穂高岳
徳澤園のレストランで提供されるメニューは山中とは思えないほど
ニリンソウの群生 (徳澤園140年史「世紀を超えて」より抜粋)
RELATED
関連記事など